【迷わない!】階段の高さの基準や決め方とは?設計時の注意点や注文住宅ならではのデザインアイデアも紹介
2024年09月10日
2024年09月25日
2階建てや3階建ての注文住宅を計画する上で欠かせない階段計画。どのようなデザインにするのかだけでなく、実用性や安全性にも配慮した計画にすることが大切です。
今回のコラムでは階段の高さの基準や決め方、デザインアイデアについてご紹介します。是非最後までご覧ください。
CONTENTS
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■階段寸法の専門用語【蹴上、踏面、踊り場】とは?
階段を検討していく上でまず押さえておきたいのが階段寸法の専門用語です。階段計画をする際に必ず出てくる用語になるため、覚えておくと良いでしょう。
用語
内容
蹴上
階段1段の高さ
踏面
階段の足を乗せる面
踊り場
階段の途中で設置されている平坦で広めの面
※階段の折り返しや転落防止のために造られる
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■建築基準法で定められた基準
先ほどご紹介した、蹴上、踏面、踊り場の3つは建築基準法によって寸法が定められています。これらの規定は、階段を安全に使用できるようにするために非常に重要なポイントになるため、階段を設計する際には、必ず基準を満たすように注意が必要です。
用語
規定
蹴上
23㎝以下
踏面
15㎝以上
踊り場
階段と踊り場の幅75㎝以上/高さ4m毎に設置
POINT:建築基準法通りの階段は上り下りしにくい!?
建築基準法に従って階段を設計すると、上り下りが少し不便に感じることがあります。例えば、踏面の奥行きは建築基準法で15㎝以上と定められていますが、日本人の平均的な足のサイズは23~25㎝程度です。そのため、15㎝の踏面では狭く感じる場合が多く、実際には20㎝程度の奥行きが快適です。建築基準法はあくまで最低基準のため、最適なサイズを選ぶことでより快適な階段が実現します。
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■おすすめの階段の高さ
階段を設計する際、急な階段よりも緩やかな階段の方が安全で歩きやすいとされていますが、緩やかすぎると歩幅が合わなかったり、段数が増えてしまい、逆に疲れてしまうこともあります。
では、どのように階段の高さを決めるのが良いのでしょうか。実は階段の高さを決めるためのおすすめの計算方法があります。
「蹴上×2+踏面=60cm」
この計算方法は、階段を上り下りする際に最も自然な歩幅とされており、負担の少ない階段を作るための目安となります。蹴上と踏面のバランスを考え、なるべく「=60㎝」に近づけることで、上り下りがしやすい階段になるでしょう。
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■階段設計時に考慮すべき4つの注意点
〇家族構成やニーズに合わせた高さを選択する
小さなお子様や高齢者がいる場合、階段の段差が高すぎると足元が不安定になり、転倒のリスクが高まります。反対に、段差が低すぎても歩幅が合わず、上り下りしづらくなることがあるため、家族全員が安全かつ快適に利用できる高さを選択しましょう。
〇長く住み続けるなら老後を見据えた設計にする
年齢を重ねると、階段の上り下りが次第に負担になってきます。段差を緩やかにしたり、手すりを設置するなど、年齢を重ねても上り下りが楽にできるよう、老後を見据えた階段設計にすることが大切です。
〇実用性とデザイン性のどちらに重きを置くか考える
階段の設計では、実用性とデザイン性のどちらに重きを置くかを慎重に考えることが大切です。オープン階段や片持ち階段などのデザイン性を重視した階段は、視覚的な美しさを追求できますが、荷物を持ちながらの上り下りや、安全性の面で不便を感じるかもしれません。最適な階段を選ぶためには、家族のライフスタイルや将来の使い勝手を考慮し、バランスの取れた設計を心がけることが重要です。
〇安全対策を行う
・【階段の形状】
オープン階段や片持ち階段は蹴込板(※1)がないため、デザイン性は高いですが、小さいお子様やペットがいる家庭では転落のリスクがあります。転落防止ネットを設置することも一つの対策ですが、デザイン重視の階段では景観が損なわれる可能性があるため、デザイン性と安全性のどちらを優先するかを予め考えることが重要です。
※1:階段の踏面と踏面の間の垂直な部分
【手すり】
手すりの有無は安全性に直結するため、手すりの高さや形状に注意して計画すると良いでしょう。後から設置することも可能ですが、最初から計画に入れておくと安心です。
【滑り止め】
階段の踏面には滑りにくい素材を使用するのがおすすめです。塗装や形状加工を施した滑り止め加工をすることで、階段の安全性が向上します。特に階段が木製の場合は滑りやすいため、滑り止め対策は必須です。
【照明計画】
階段は視認性がとても重要です。夜間の移動時にも足元が見やすいよう、十分な明るさを確保した安全な階段計画を行いましょう。 -
■階段設計時に合わせて考えたい間取り・デザイン
・ 階段下スペースを有効活用する
◁左の事例:全館空調搭載の大人かっこいいダークトーンのお家
▷右の事例:落ち着き感のあるシンプルモダンな家
収納として活用する場合、1m前後の高さがあれば十分な収納スペースを確保することができます。扉やロールスクリーンをつけて目隠しするのも良いですね。収納の他にもヌックやカウンター、ペットスペースを計画するのもオススメです。ライフスタイルに合わせて、階段下スペースを有効活用しましょう。
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・ 開放感のある階段デザインを取り入れる
◁左の事例:お家時間を楽しめる防音室のついた家
▷右の事例:落ちつきのある上質なガレージハウス
オープン階段や片持ち階段は注文住宅ならではの、デザイン性を重視した階段です。階段で光を遮断することがなく、風通しも良いため、より開放的な空間に仕上がります。
・ 階段と調和した照明を選ぶ
◁左の事例:キャットウォークとスキップフロアが繋がる住まい
▷右の事例:収納と回遊性にこだわった、無垢の優しいお家
ペンダントライトやフットライト、ブラケットライトなど照明だけでも豊富な選択肢があります。ただし、階段を上る際に照明が動線の妨げにならないよう、慎重に照明計画を立てることが重要です。さらに、照明のメンテナンスのしやすさも考慮しておくと良いでしょう。階段の雰囲気に調和する同じテイストの照明を選ぶことで、空間全体に統一感が生まれます。
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■まとめ
今回のコラムでは、階段の高さの基準や決め方についてお話ししましたがいかがでしょうか。
デザイン性だけでなく、実用性や安全性も兼ね備えた階段計画をすることが必要です。今回ご紹介した「蹴上×2+踏面=60cm」という計算方法を参考に、ご家族全員が快適に使用できる階段を計画しましょう。
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