【木造住宅2つの工法】木造軸組工法と枠組壁工法の違いや耐震性とは
2021年03月17日
2024年10月02日
住宅の構造には木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造など様々ありますが、日本の戸建住宅の約70%は木造建築だと言われています。
木造は鉄骨に比べ、建築コストが安いだけでなく木の持つ風合いと温かみがあり、昔から人気のある建築方法です。
今回はそんな木造住宅について深堀し、主流の2つの工法「木造軸組工法」と「枠組壁工法」についてご紹介します。
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木造住宅の種類
木造住宅で主流となっている工法は大きく分けて「木造軸組工法(在来工法)」と「枠組壁工法(2×4工法)」の2つに分けられます。
まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
■木造軸組工法(在来工法)とは
軸組工法とは、日本で最も多く建てられている伝統的な工法であり、在来工法と呼ばれることもあります。柱や梁、筋交を組み合わせて軸組(骨組み)を作り、建物を「線」で支える工法です。
設計自由度が高く、比較的広い開口部をつくれるという特徴があります。
■枠組壁工法(2×4工法)とは
枠組壁工法は枠材に面材を緊結させ「壁」をつくり、その壁を組み合わせて家をつくりあげる工法です。
在来工法が「線」で建物を支えていたのに対して枠組壁工法は「面」で支えているイメージです。
細かく決められた基準の中で壁を配置して造り上げていくため、高い耐震性と耐火性の備わった家を短期間で完成させることが出来ます。
2インチ×4インチの角材で作られた枠材に、パネルを緊結させて壁や床を作る工法として2×4(ツーバイフォー)と呼ばれることになりました。 -
工法による耐震性の違いとは
まず初めにそれぞれの基本構造について簡単に解説します。
工法
基本構造
木造軸組工法(在来工法)
コンクリートの基礎に土台を置き、柱と梁、筋交いなどを組み合わて骨組みをつくる。
前述した「線」で支える方法。木造壁式工法(2×4)
屋根と床の2面に四方の壁4面を合わせた6枚で空間を構成し、構造体をつくる。
前述した「面」で支える方法。
以前は「木造軸組工法は耐震性が低い」と言われることもあったようですが、実際にはどちらの工法の方がいいというのは一概には言えません。たしかに木造軸組工法は、枠組壁工法に比べて耐力壁の量が少なくなるため、耐震性が低くなる傾向にあります。
しかしながら、現在では木造軸組工法でも面材を増やし耐力壁の量を多くした工法があり、枠組壁工法より耐震性が高くなることもあります。
結果的に一番大事なのは、きちんと構造計算や耐震シミュレーションなどが行われているかどうかなのです。
また、そもそも「木造より鉄骨造や鉄筋コンクリート造の方が耐震性に優れている」と思っている方は多いのではないでしょうか。
しかしながら、木造は木特有の柔らかさで地震の揺れを逃がしやすいという特徴があります。住宅の重量が大きいほど揺れも大きくなりますが、木造は鉄よりも軽いため揺れ自体も少なく済みます。
加えて、現在の建築基準法における新耐震基準では、震度6強~7に達する程度の大規模地震に対しても安全を確保できる建築物にするという規定が加わっています。
そのため、どの構造であっても一定レベルの耐震性が法律によって担保されていることになります。木造だからといって耐震性が低いわけではありません。
HOLIDAYSでは、木造住宅の中でもより耐震性に優れた「木造軸組パネル工法」を取り入れています。
今回ご紹介した工法との違いについて、詳しくは下記コラムよりぜひご確認ください。
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木造軸組工法のメリット・デメリット
次に木造軸組工法の特徴をメリット・デメリットの観点からご紹介します。
メリット
施工できる会社が多い
日本の伝統的な工法で、最も普及している工法なので、施工できる工務店が多くあります。
そのため、工務店の選択肢が広がり、自分にあった施工会社を選ぶことが出来ます。
間取りや構造の自由度が高い
柱と梁で構成されているため、壁を設ける箇所の選択肢が広がり、様々な間取りに対応することが出来ます。
間取りにこだわりをお持ちの方は木造軸組工法がお勧めです。
開口部を大きく取ることが出来る
柱と梁からなる工法なので、ほとんどの壁面で窓口を広く取ることが出来ます。
リフォーム、増改築がしやすい
骨組みがベースになる工法なので、壁を取り払って部屋をつなげたり、増築などもしやすくなります。
日本で一番普及している工法のため、対応できるリフォーム会社も多くあります。
デメリット
施工期間が長い
枠組壁工法に比べると、現場で作業することが多く工期が長くなりがちです。
質に差が出やすい
自然の材料を用いており、建築作業のほとんどを現場で行うため、木材の質や、大工の経験や技術の差が出やすいです。
費用が多くかかる場合がある
工期が長くなる分、大工の人件費もかかってきます。
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木造枠組壁工法のメリット・デメリット
木造枠組壁工法のメリット・デメリットは以下のようなことが挙げられます。
メリット
安定した品質
枠組壁工法では、用いられる角材の規格が統一されているだけでなく、釘の大きさや打ち込む間隔まで細かく決められています。職人の技術や経験に左右されず、完成度にもバラつきが少ないため、安定した品質を期待することが出来ます。
優れた耐震性と耐風性
面で構成されている工法のため、建物全体の強度が高まり、地震や台風に強いと言われています。
工期が短い
枠組壁工法は、軸組工法に比べ、工法が短いということもメリットの一つです。材料が規格化されシステム化されているので、現場での作業量が削減され、短工期で家を建てられます。
気密性・断熱性では有利
面をつなぎ合わせることで、隙間が生まれにくく、気密性や断熱性も向上します。
デメリット
間取り変更が難しい
規格化された箱を基準にして組み立てるため、どうしても間取りの自由度は下がってしまいます。
また壁によって支えられる工法で、壁がそのまま構成となっているため、リフォームで壁を抜いて部屋を一つにするなど間取り変更が難しい場合があります。
大きな開口を設けづらい
間取り変更が難しいことと同じで、開口部を大きくするには、壁を大きく抜かなければなりません。
壁を大きく抜くことで、メリットである強度が低下してしまします。
カビやダニが発生しやすい
高気密・高断熱がゆえに、内外の温度差が大きくなるため、結露が生じやすくなります。
そのためカビやダニが発生しやすい環境になるので、結露対策が必要となります。
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「木造軸組パネル工法」で建てられた事例4選
オーク×ネイビーが映える家間取り:5LDK+2S
階数:2階建て
延床面積:144.5㎡
費用:約3,100万円
ネイビーのガルバリウム鋼板と木のぬくもりが調和し、異素材がお互いに魅力を引き立てるお住まい。長方形をくり抜いたような形状が印象的です。
ピットリビングで心休まる全館空調の平家間取り:3LDK
階数:平屋
延床面積:77.84m2
費用:約2,400万円
”アカシア”材の表情が映える平屋のお住まい。
全館空調を搭載しているので、どこにいても快適な温度の中で生活することができます。
【画像の施工事例を見る】
スタイリッシュな店舗併用住宅間取り:1F:美容室+納戸、2F:2LDK
階数:2階建て
延床面積:150.93㎡
費用:約2,700万円
1Fが美容室、2Fはご家族の居住スペースと、店舗併用住居のお住まい。
長方形を二つ重ねたようなお洒落な外観で、外壁の一部は本物の木材を張り合わせています。
【画像の施工事例を見る】
自然を愉しむ和テイストの家間取り:3LDK
階数:2階建て
延床面積:105.12㎡
費用:約2,700万円
大屋根と下屋、大きな軒が印象的な「和」テイストのお住まい。
「への字」の切妻屋根と木材の柱で重圧感のあるデザインに仕上がっています。
【画像の施工事例を見る】 -
まとめ
今回は木造住宅の工法についてご説明いたしました。
木造軸組項目にも、枠組壁工法にも、それぞれメリットデメリットがあります。
工務店やハウスメーカーを選ぶ際には、その建築会社がどんな工法が得意なのか、そしてその工法がどのような特徴を持っているのかを確認し、納得できる建築会社を選びましょう。
私たちHOLIDAYSでは、自由に設計のできる軸組工法に、建物全体を耐久壁というパネルで構成する面材張付工法を掛け合わせた「木造軸組パネル工法」を採用しております。
軸組工法と枠組壁工法それぞれのメリットを取り入れることができ、耐久性を高めるとともに設計の自由度も両立させています。
お客様のライフスタイルにあわせた自由設計の注文住宅を提案しており、木造住宅工法についても詳しくお話させて頂けますので、ご興味ある方はぜひご来場ください。