【失敗しない!】土地探しから始める注文住宅~土地購入の裏ワザをご紹介~
2023年12月22日
2024年06月20日
注文住宅を建てるために必要になる土地。
「なかなか良い土地が見つからず、どう探せばいいか悩んでいる…」と、土地探しでお困りの方はいませんか?
実は良い土地に出会うための裏技があるんです。
今回はそんな裏技と、土地の基礎知識、知っておくべき注意ポイントまで、土地を探す上で必要になる情報をたっぷりとお伝えします。
「まだ探し初めで何から始めていいかわからない…」という方も是非参考にしてください。
CONTENTS
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土地探しの基礎知識① 「用途地域」
■土地に関する基礎知識
まずはじめに、物件資料にもよく記載されている
・用途地域
・建築制限
の2点の基礎知識についてご紹介します。
〇土地の「用途地域」とは?
そもそも都市計画区域内には市街化区域と市街化調整区域という2種類の地域があり、市街化区域は計画的に都市化を進めるエリアであるのに対して、市街化調整区域は計画的に都市化を抑制するエリアとなります。
その中でも用途地域は、市街化区域にのみ該当する地域で、建築できる建物に制限があります。そのため地域によって雰囲気が異なることも特徴です。現地に行って様子を確認するような時間がない…という方は、その土地の用途地域を見てみることをおすすめします。
第一種・第二種低層住居専用地域
低層住居のための地域。建てられる高さは10mや12mに制限されています。「第二種」になるとコンビニや飲食店も建築可能です。
庭や駐車場を広めに所有したい方、静かで落ち着いた環境で生活をしたい方におすすめです。第一種・第二種中高層住居専用地域
高さ制限がなくなることで、3階建ての戸建やマンションが増えます。「第二種」になると店舗や事務所も建築可能になるため、活気のある雰囲気に。
利便性を求める人や職に近い地域を希望している方におすすめです。第一種・第二種住居専用地域
「中高層専用地域」よりも広い店舗や事務所、ホテルなどが建てられます。「第二種」になるとボーリング場やスケート場などの娯楽施設も建築可能です。
商業施設が多くなり、比較的駅に近い場合もあるため生活利便性を重視している方におすすめです。準住居地域
高さ制限はなく、道路の沿道において自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居環境を保護するための地域です。
国道や幹線道路沿いに指定されることが多いため、車での移動が多い方におすすめです。田園住居地域
農業の利便性を図りつつ、低層住宅の環境を守るため地域 。建てられる高さは10mや12mに制限されています。
農業の利便増進が重視されているため、田畑が広がる、のどかな風景が魅力です。 -
土地探しの基礎知識② 「建築制限」
〇「建築制限」とは?
土地を購入したら、なんでも好きに建物を建てていい、というわけではありません。法律上で定められた「建築制限」によって、建築できる高さや大きさなどが制限されています。これは周辺の日当たり・風通しなどを考慮するためや、建築物の安全性を確保するために定められています。今回は数多くある建築制限の中でも、よく見る5つの制限をご紹介します。
【建蔽率】
建蔽率とは、「敷地面積(建物を建てる土地全体の面積)に対する建築面積(建物が建っている部分の土地面積)の割合」のことを言い、風通しや防災のために土地に対して建築できる面積を定めた規制基準です。建蔽率は以下の計算式で算出することができます。
建蔽率(%)=(建築面積÷敷地面積)×100
[敷地面積100平米・建蔽率50%の場合]
『50(%)=(建築面積÷100)×100』で、50平米(約15坪)の建物が建築可能。
【容積率】
容積率は、建蔽率(平面的な広さを制限する規制)とは異なり、「敷地面積に対する3次元空間の割合」を算出し、人口をコントロールするための規制基準です。延床面積(建物の各階の床面積を足したもの)が重要となり、土地に対して何階建ての建物が建てられるかを定めた規制でもあります。容積率は以下の計算式で算出することができます。
容積率(%)=(延床面積÷敷地面積)×100
[敷地面積100平米・容積率80%の場合]
『80(%)=(建築面積÷100)×100』で、延床面積80平米(約80坪)の建物が建築可能。
【高さ制限】
前面道路や隣地の日照、採光、通風を確保するために定められた制限です。前述した用途地域でも高さを10mや12mに制限している地域があったかと思います(これを「絶対高さ制限」と言います)。
高さ制限は下記5種類のうち最も厳しいものに準じます。道路や敷地、隣地との境界線から直線的に伸ばした高さまでしか建築ができないというもので、それぞれ細かく数値の指定がされています。用途地域によっては該当しないものもあるため、気になる土地があれば、詳しくは不動産会社や建築会社に尋ねるといいでしょう。
制限
内容
道路斜線
道路の良好な環境を保つための制限
隣地斜線
隣地の良好な環境を保つための制限
北側斜線
北側にある建物の採光を確保するための制限
絶対高さ
環境を良くするため一部の用途地域にのみ指定された制限
日影規制
建物からできる影が周辺の土地に一定時間かからないようにする制限
【がけ条例】
土砂災害特別警戒区域には入っていない場所であっても、高さ2mを超えるがけが近接していると制限される条例です。
土地ががけ上にある場合がけの下端から、土地ががけ下にある場合がけの上端から、建築物との間にそのがけの高さの2倍以上の水平距離を保たなければなりません。
【接道義務】
建物を建築するためには、幅4mの道路に、2m以上接していなければならないという接道義務があります。
接道している道路の幅が4m未満の場合、道路の中心線から2m、土地を後退させなければなりません。(前面道路を4mにする場合、反対側の土地も後退義務があるため、中心から2mを基準としています。)
セットバックした分は道路という扱いになり、土地の面積が減るため注意が必要です。
参照:愛知県建築基準条例(令和5年4月1日改訂版) -
土地探しの基礎知識③ 「土地探しから購入までの流れ・期間」
■土地探しから購入までの流れ・期間
次に土地を購入するまでの流れや期間についてご紹介します。いつから動くべきか、どれくらいの期間を目安にするといいか悩んでいる方は是非参考にしてみください。
【流れ】
❶土地を探す
❷買付証明書を提出する
※価格交渉が可能な場合、このタイミングで行う
❸住宅ローンの事前審査を受ける
❹手付金を支払い、不動産売買契約を締結する
❺住宅ローンの本審査を申し込む
❻金銭消費貸借契約を締結する
❼土地の引き渡し・所有権移転登記の完了
【期間】
土地探しから購入までは、基本的に3か月~1年
程度かかると言われています。
「❷買付証明書の提出」から「❼引き渡し」までは2~3か月程度の期間で完了するため、土地探しにどれくらいの時間をかけるかで、全体の期間が大きく変わります。
土地の購入を完了させたいタイミングがあれば、それに合わせて計画的に土地探しを行うといいでしょう。 -
土地の探し方裏技テクニック5選を紹介
*POINT*
土地を探す上で大切なことは条件を絞り過ぎず、広い視野を持って探してみること。土地は工夫して使うこともできるので、最初からこだわり過ぎず、絶対に譲れない部分のみ明確にしておくことが重要です。
■検討しているエリアを歩いてみる
意外と見つかる、実際に自分の足で探す方法。検討しているエリアを探してみると、看板が設置されている土地や造成し始めの土地、何も手入れされていない土地などがいくつか見つかることがあります。それらの中に実は今後売りに出される予定の土地が眠っているかもしれません。
気になった土地があれば近隣の不動産会社に行って聞いてみましょう。そのエリアの販売状況を調べてもらうと、事前に販売時期がわかる可能性も。
希望のエリアを歩いてみることで、周辺環境についてもわかるため一石二鳥な方法です。
■不動産会社から情報を収集する
一番最新、かつ多くの物件情報を持っているのはどこかというと、やはり不動産会社になります。
ネットに長く掲載されている土地は、言ってしまえば”売れ残り”です。人気なエリアの土地は、新着が出たタイミングですぐに複数の買い付けが入るということもあります。そういった土地はネットに掲載する必要がないので、市場に出回ることなく売り切れてしまいます。そのため不動産会社に行き、直接担当者から情報を仕入れることが一番効率的な方法と言えます。
不動産会社との関係性を作っておくのも重要です。似たような土地探しの条件を持っているお客様が複数いる場合、担当者とのコミュニケーションがしっかりと取れていれば、1番に情報を紹介してもらえる可能性があります。
また大手ばかり見てしまいがちですが、地元の不動産会社でしか取り扱っていない土地があるケースも。土地探しはタイミングにもよるので、常に最新情報をキャッチできる状態にしておく必要があります。不動産会社と連絡を取り合うという手間のかかるやり方にはなりますが、確実に情報を手に入れられる最適な方法になりますので、いくつかの不動産会社に足を運んでみるといいでしょう。
■中古戸建を買って土地だけ利用する
土地が欲しい!と思っていると意外と思い浮かばない、中古戸建の土地を利用するというもの。更地の土地を探している人を多く見かけますが、中古戸建も建物を解体してしまえば、土地を自由に使えます。(ただし、建築制限や土地の名義は予め確認しておきましょう。)
建物が建っていない土地の場合、生活に必要な水道やガスなどのライフランが整っていない場合があります。しかし中古戸建が建っている土地であれば、すでにライフラインが整っているため、余計な引き込み費用がかかりません。結果的に土地を購入するよりも中古戸建を購入した方が安くすんだ、ということも。
また解体する建物であっても、これから建築する家の大きさや間取りのイメージがしやすくなるというメリットもあります。設計図や間取り図が残っていれば、実際に見比べて、次の建物にどう反映するといいか、より具体的に想像することができます。
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■建築条件付きの土地も視野に入れる
建築会社をまだ決めていない方にはおすすめの方法です。
建築条件付きというと、決められた建築会社でしか建築できないというマイナスなイメージがあるかもしれません。しかし、土地と建物を一緒に購入してもらうことで、土地代からの利益が少なくても建物の建築費で利益を出すことができるため、土地の価格を下げて販売していることがあります。
またすぐに建築できる状態に整備されていることが一般的なので、土地購入後に余計な整備費用がかかることを防げます。
※注意点としては、一定期間内に請負契約を結ぶ必要があるため、事前に建築会社について調べておく必要があります。
■ 訳ありの土地も探してみる
訳ありと言われて思い浮かべるのは、事故物件や災害リスクのある土地ですが、訳ありの理由によっては、デメリットを感じないという場合もあるかと思います。今回は意外と検討している人も多い、訳あり理由を4つご紹介します。
〇旗竿地
入り口は細く、奥が広がっている旗のような形をした旗竿地。車が停めづらそう、日当たりが悪そう、などの理由で検討から外す人も多いです。
しかし旗竿地のメリットは、なんといっても価格が安いこと。エリアや広さなどの条件が一緒でも、旗竿地でない物件と比べて10~15%ほど安くなっていることがあります。
また建物から道路まで少し距離があるからこそ、お子様が道路に飛び出す心配も少なく、小さなお子様がいるご家庭には意外と人気な土地になっています。
〇坂の途中の土地
坂の途中にある土地は、隣地が一段下がっているため見晴らしがよく、景色のいいところに住みたいと思っている方にはうってつけの土地です。また傾斜地ならではの間取りづくりも面白く、地下ができる設計になるため、ビルドインガレージを作ったり、遊びのある家にすることができます。外部から見られにくいのも特徴で、窓を多めに設計したり、カーテンを開けたままにできたりと開放的な空間にできる場合もあります。
ただし地盤の状態によっては、建築する上でリスクになる可能性もあるので、土地の状況については事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
〇北側道路
日当たりの観点から南側道路の土地を選ぶ人も多いですが、実は北側だからといって日当たりが悪いわけではありません。建て方の工夫次第では、たっぷりの陽射しを取り込むことができます。
例えば、南側に庭を設けることで隣地との距離を空けたり、普段陽射しが欲しい居室のみ南側に設けたりなど、方法は様々です。
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〇交通機関への距離感
「駅徒歩〇分まで」と駅チカ物件を重視している人は多いのではないでしょうか。しかし、ご存知の通り、駅から近いほど土地の価格は高くなります。
そこで徒歩だけではなく自転車やバスの利用も考えてみるといいでしょう。自転車であれば徒歩の約1/3の時間で駅まで行くことができます。(徒歩20分の距離なら自転車で約7分)また駅チカだけでなく、バス停の近さも候補に入れれば、選べる物件数はぐっと多くなります。駅チカは便利だからこそ、騒音や、ビル建築による日当たりの悪化などの問題が増えるので、是非駅チカ以外でも候補を広げてみてください。 -
土地探しで失敗しないための3つの注意ポイント
■周辺環境は住んだ後の目線で判断する
どんなに素晴らしい立地であっても、周辺環境まで確認が出来ていないと、今後生活する中で不便さを感じることがあるかもしれません。どのエリア、地域の土地にするか決めるのに一番重要なのは、毎日の生活を想像することです。
例えば防犯面。お子様がいるご家庭は特に気になるポイントかと思います。せっかく高額なお金を払って買った土地が、「住んでみたら夜道は暗く、人通りも少ないため安心して生活ができない…」となってしまったら嫌ですよね。街灯はどれくらいあるのか、また自治会がパトロールなどの防犯活動を行っているか等を確認しておくといいでしょう。
その他、廃棄物処理場、下水処理場などの嫌悪施設の有無、騒音や悪臭など生活をする上で自分にとってマイナスに感じる要因があれば事前に把握しておく必要があります。一度現地を見たときはそこまで気にならなかったことも、長期的な目で見ると生活に悪影響を及ぼす可能性が…。
良い土地の購入はスピードとの勝負でもありますが、今後住んでいく上で、本当に安心で快適に過ごせる立地なのかどうか、何度か現地を訪問したり、周辺環境について情報を仕入れておくことは重要です。
■土地の高低差・地盤の強さを調べておく
高低差がある土地の場合、造成費用が増えるだけでなく、災害リスクもあるなど、気を付けるべきポイントが多くあります。
まず造成工事というのは、用途に合わせて土地を整えるための工事のことで、整地、地盤改良などが含まれます。土地の形状や状態にもよりますが、数百万という高額な費用がかかる場合もあります。
また地域によっては、地盤が緩い土地だと土砂崩れが起きる可能性も考えられます。
検討しているエリアで災害のリスクがあるかどうかは国土交通省が発表している「ハザードマップ」で確認することができます。災害の危険性について心配な方は、事前に確認しておくようにしましょう。
高低差はほとんどありませんが、周辺が田んぼや畑に囲まれているような地域も注意が必要です。というのも、農地として活用されている土地の周辺は、土が柔らかく地盤が緩いため、地盤沈下や液状化のリスクがあるからです。農地周辺の土地を検討する際も、地盤については気を付けて確認するといいでしょう。
■ライフラインの有無を確認する
前章の裏技でも軽く触れましたが、土地によっては上下水道・電気・ガス・通信などの設備が整っていない可能性があります。ライフラインが整備されていないと引き込むための費用が追加で必要になり、購入費用が結果的に高額になってしまうことも。
またライフラインの中でも都市ガスとプロパンガスを比べると、設置費用とランニング費用のトータルコストを見たときに都市ガスの方が安くすみます。
購入時の費用だけでなく、生活にかかわる固定費も考慮した上で、土地を選ぶことをおすすめします。 -
まとめ
今回は土地探しをする上で知ってもらいたい裏技や基礎知識などをご紹介しました。
理想の土地を見つけるために必要なことは、”完璧を目指さない”ことです。100%理想にあう土地を見つけることは、ほぼ不可能と思ってもらった方がいいかもしれません。
自分にとって譲れない部分、妥協してもいい部分をある程度決めてから探し始めることをおすすめします。
HOLIDAYSでは、不動産仲介部門もあるので、ご希望に合わせた土地のご紹介から可能です。
ご希望に合いそうな土地の紹介はもちろん、それに合わせてどのような家を建てられそうかという建物の提案も一緒にさせていただくことができるため、スムーズなお家づくりが可能です。
愛知県内で土地探しから検討中の方は、是非一度お話をお聞かせください。