地鎮祭ってなに?気になる費用から当日の流れまで解説!
2019年12月23日
2024年06月14日
新居を建てる際に行われる地鎮祭。地鎮祭は義務ではないため、やるべきかどうか悩んでる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は地鎮祭を行う目的や、当日の流れ、気になる費用などについてお伝えいたします。地鎮祭をするかどうか迷っている方は、是非本コラムを参考にしてみてください。
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地鎮祭とは?しないとダメ?
■地鎮祭の意味と目的
地鎮祭とは、建物を建てる際に、土地の神様(氏神様)に土地を利用させて頂くことの許しを請い、工事の無事や安全と、建物や家の繁栄を祈る儀式のことを言います。日本最古の歴史書である「日本書記」にも記載されているほど、日本では古くから行われてきました。
かつては「新築時に必ず行うべき儀式」として位置づけられていましたが、核家族で新しいスタイルの新居を構えるケースが増えたことに伴い、簡略化したり省略したりすることも少なくありません。 つまり、絶対にやらなければならないものではありません。地鎮祭をするかどうかは、施主次第となります.
■地鎮祭の日程や時期
地鎮祭を行うタイミングとしては基礎工事前になります。
また時期について、一般的には六曜の中でも【 先勝、友引、大安 】などの吉日の午前中に行うのが良いとされています。
しかしながら六曜はもともと中国で時刻の吉凶占いのために用いられた考え方であるため、本来は地鎮祭のルーツとは関係ありません。
日取りにこだわり過ぎると工事の進行に影響が出る可能性もあるので、特にこだわりのない方は早めに日程を抑えるのがいいでしょう。
※六曜の意味は下記を参考にしてみてください。
先勝(せんかち)
先回りして行動すると良い。午前は吉、午後は凶。
友引(ともびき)
友を引き寄せる。午前中と夕方は吉、正午は凶。
先負(せんまけ)
急ぐことに災いがある。午前は凶、午後は吉。
仏滅(ぶつめつ)
物が終わる日。六曜の中では最も悪い日とされる。
大安(たいあん)
すべて良い。何事においても吉。
赤口(しゃっこう)
「赤」というイメージから災いや凶の意味合いを持つ。
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地鎮祭では何をするの?
■地鎮祭の基本的な流れ
1、開式の辞
地鎮祭の開始のご挨拶
2、修祓の義(しゅばつのぎ)
儀式のスタートに先立ち、参列者・お供え物を祓い清める儀式
3、降神の儀(こうしんのぎ)
ひな壇に立てた神籬に、その土地の神・地域の氏神を迎える儀式。
4、献餞(けんせん)
神に祭壇のお供え物を食していただく儀式。
5、祝詞奏上(のりとそうじょう)
その土地に建物を建てることを神に告げ、以後の工事の安全を祈る旨の祝詞を奏上する。
6、四方祓(しほうはらい)
土地の四隅をお払いし、清める。
切麻(きりぬさ)・散米(さんまい)とも言う
7、地鎮の儀(じちんのぎ)
斎鎌(いみかま)を使った仮初(かりそめ)、斎鋤(いみすき)を使った穿初(うがちぞめ)、斎鍬(いみくわ)を使った鍬入(くわいれ)等行われる
8、玉串奉奠(たまぐしほうてん)
神前に玉串を奉り拝礼をする。
玉串とは、榊等に紙垂をつけたもの
9、撤饌(てっせん)
お酒と水の器の蓋をして、神様へのお供え物をお下げする。
10、昇神の儀(しょうじんのぎ)
神籬に降りていた神をもとの御座所に送る儀式
11、閉式の辞
地鎮祭が終了する
12、神酒拝戴(しんしゅはいたい)
土器の杯にお神酒を注ぎ、神主さんの合図で乾杯をおこなう。
以上が地鎮祭の全体の流れで、行う項目です。
地鎮祭自体はだいたい約30~50分程度で終了しますが、準備や片付けを含めると1時間半~2時間程度は見ておくといいでしょう。 -
地鎮祭にかかる費用は?
■地鎮祭に関連する費用とは
地鎮祭の流れの次は必要な費用を把握しましょう。
*POINT*
地鎮祭にかかる費用は総額3~6万円程度になります。
基本的に必要になるのは以下4点です。
・初穂料
・お供物
・神主さんへの謝礼金
・粗品
それぞれにかかる目安の金額は下記にてご紹介してますので、是非参考にしてください。
・初穂料(玉串料・祈祷料・お布施)について
初穂料とは、神主さんなどに納める謝礼(ご祝儀)となります。 地鎮祭の場合の初穂料の目安となる値段を決めている神社もありますので、依頼する時に確認してみてください。 なお、この初穂料(玉串料・祈祷料・お布施)ですが、一般的には、2~3万円と言われています。 お供え物まで準備してくれる場合とそうでない場合では当然納める謝礼は変わってきますのであくまでも目安の金額です。
・お供え物
お供え物で用意するべきものは以下の7つになります。用意するものによりますが、5000円~1万円程度を見ておくといいでしょう。
最近では神主側が用意してくれるケースもあるので、事前に確認してみてください。
お供え物
内容
清酒
(1升※1.8ℓ)
酒屋に「地鎮祭用」と説明して祝儀用ののし紙を付けてもらいましょう。日本酒ではなく焼酎でも良いようです。
お米
(1合※180㏄)
地鎮祭を行う神社によって、お供えする量が異なるので、事前に確認しておきましょう。
水
(1合※180㎖)水道水やミネラルウォーターなど、特に決まりはありません。
塩
(1合※180㏄)
水と同じく特に決まりはありません。ご自宅にあるものを用意しましょう。
海の幸
尾頭付きの魚。お供えの台に乗る20~30㎝程度のもの。鯛が一般的ですが、それ以外の魚でも可。加えて昆布やわかめなどの乾物も用意します。
果物
季節の果物。リンゴやみかんなど2~3種類程度。
野菜
季節の野菜。トマトや大根など2~3種類程度。地上にできるものと、地下にできるものを用意できると良いようです。
・神主さんへの謝礼金
最近では、送迎が必要という神主さんも少なくなっていますが、問合せするときに送迎が必要かどうかを確認しましょう。 送迎の際には、祭壇などの地鎮祭に必要な大きなものがありますので、荷物が載せられる車が必要です。 送迎の必要がない場合は、お車代を納めるのが一般的です。 5000円〜1万円程度が相場となっています。
・粗品
地鎮祭後、近隣の方への挨拶として配る粗品。挨拶をする範囲としては、両隣、向かいの家とその両隣、後ろの家とその両隣の計8軒に挨拶するのが一般的です。粗品の相場は500円~1000円程度。受け取る相手が気を遣わない金額の範囲で選びます。よく見られるのは、タオルや台所用品、日持ちするお菓子や食品などです。
これを各家庭に配るので、8軒の場合は最大8000円程度かかることになります。
■費用を抑えたい方には略式地鎮祭がおすすめ
上記で説明したように、地鎮祭は意外とお金のかかるイベントです。ただでさえ新居でお金がかかっているのに、追加で更に費用が発生するのは出来る限り避けたい…という方も多いかと思います。
そんな方におすすめしたいのが、「略式地鎮祭」。施主が敷地の土を近所の神社に持ち込み、祈祷してもらう方法です。初穂料は1万円前後とされており、本式の地鎮祭と比べてもかなりの節約になります。基本的な持ち物は以下となりますので是非参考にしてください。[持ち物]初穂料、敷地の土、酒、塩、米
ただし略式地鎮祭を行っている神社は少ないため、事前に電話などで問い合わせてみましょう。 -
地鎮祭の準備と注意点
■服装について
気を付けたいマナーとしては服装が挙げられます。施主に特に服装の決まりはありませんが、お祝いの儀式ということで、フォーマルな服装で臨む人も多いようです。ただ、フォーマルと言っても礼服ではなく、男性の場合はスーツやシャツにジャケットを合わせたカジュアルフォーマルも定番なようです。基本的に個人宅で行う場合、服装は自由とされているので、シンプルで清潔感のある服装であれば問題ありません。
■近隣への挨拶
また費用面にて前述した通り、地鎮祭の後に近隣の方々へのあいさつを行うケースも多いです。地鎮祭だけでなく、住宅の建築中にはどんなに工事業が気を付けていても、騒音や車の出入りで近隣住民の方に迷惑をかけてしまうこともあります。建築後に永いお付き合いになる近隣の方々とのトラブルは避けたいもの。
近隣挨拶時の手土産や挨拶の範囲などは、地域の慣例もありますので、建築会社の担当者に確認しておくといいでしょう。
※粗品を準備する際は、「紅白の蝶結びの水引」が印刷された「のし」を必ずつけるようにしましょう。 -
地鎮祭についてのまとめ
近年では若い世代を中心に「地鎮祭」を開催しないという選択肢をとる方も増えています。ただ、せっかく夢のマイホームを建築するのですから、しっかりと順序を踏んでおく方が、安心ではないでしょうか。また、地鎮祭は、関係業者に気持ちよく働いてもらい、近隣住民との交流のきっかけにもなります。
地鎮祭を開催する場合は、事前に建築会社の担当者に確認を行い、気持ちよく地鎮祭の日を迎えていただければと思います。