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2025年11月15日
2025年11月06日
みなさん、「高窓(ハイサイドライト)」をご存じですか?
壁の高い位置に取り付けることで、自然の光をやわらかく室内に取り込んでくれる窓です。
一方で、設計や窓の選び方によっては「暑さ」や「掃除のしにくさ」といった悩みにつながることも。
今回のコラムでは、高窓の種類やメリット・デメリット、設計時に押さえておきたいポイント、実際の施工事例までを分かりやすく紹介します。
後悔しない「高窓(ハイサイドライト)」の取り入れ方を知り、快適で明るい住まいづくりの参考にしてください。
CONTENTS
高窓とは、壁の上部や天井付近に設けられた窓のことです。
特に、天井近くに水平に長く設置されたものは「ハイサイドライト」と呼ばれます。人の目線よりも高い位置に配置されるため、プライバシーを守りながら自然光を効果的に取り入れられるのが特徴です。
・高窓の種類
高窓にはFIX窓(はめ殺し窓)と開閉式窓の2種類あります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| FIX窓 (はめ殺し窓) | ・開閉ができない固定式の窓 ・気密性、断熱性が高い →採光やデザイン性を重視した場所におすすめ |
| 開閉式窓 | ・換気ができる →風通しを確保したい空間におすすめ |
部屋の高い位置に設置するため、外部からの視線が気になりにくく、プライバシーや防犯上も安心です。カーテンを開けていても覗かれる心配は基本的にありませんが、隣家が2階以上の建物の場合は、2階からの視線が入る可能性もあるため、配置の確認や、必要に応じた対策が必要です。
高い位置から光が入ることで、部屋の奥まで光を届けることができます。また、光が直接入る直射日光ではなく壁や天井に反射して室内を照らすため、特に北側などでは柔らかく安定した明るさが得やすいのが特徴です。
一般的に暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まるという性質があります。「1階は寒くて2階は暑い」という現象を体感したことがある方もいるかと思います。
この原理を利用し、高い位置と低い位置にそれぞれ窓を設置して同時に窓を開けることで、効率的な換気が可能になります。暖かい空気は軽く上昇し、冷たい空気は重く下降するという特徴を活かすことで、空気の通り道が生まれ、室内の温度差を解消しつつ、急激な温度変化を防ぐことができます。
視線が上に抜ける為、実際よりも天井が高く感じられ、空間に広がりが生まれます。デザイン的なアクセントにもなる他、モダンでおしゃれな印象も与えます。
目線の高さに窓がある場合は、窓を塞がないように家具のレイアウトに配慮が必要ですが、高窓は壁面上部に窓を設置するため、下部の壁面を自由に活用でき、家具のレイアウトの自由度が高まります。
高い位置に窓がある分、日常的なお手入れはしにくいのが難点です。そのため、汚れがつきにくいガラスを選んだり、掃除頻度について設計時点で設計士と相談して決めるのがおすすめです。
開閉式窓にした場合、換気の度に窓の開閉が必要になるため、手間だと感じる人もいるでしょう。対策として、手動のチェーン式オペレーターを使用したり、電動リモコンやスマートホームとの連携など、開閉方法を予算に合わせて計画すると良いでしょう。
壁に反射して光を取り込む高窓は、日差しの強い夏場には室温が上がりやすくなる可能性があります。そのため、深めの庇(※)を設けたり、遮熱・断熱性能の高い窓ガラスの選択、ブラインドやロールスクリーンの設置を検討するなど、暑さ対策を計画しておきましょう。
※庇(ひさし)とは、建物の出入り口や窓の上部に取り付けられる小さな屋根のこと。
特に、リモコンで開閉を行う電動タイプの高窓は、手動タイプに比べてコストが高くなる傾向があります。どこに高窓を採用するか、優先順位を明確にしたうえで、予算配分を建築会社としっかり相談しておくことが大切です。
家のメインとなるリビング・ダイニングは、特に家具のレイアウトにこだわりたい空間です。高窓を採用することで壁面を有効に使えるため、レイアウトの自由度が上がり、高窓から差し込む柔らかな光が空間に開放感をもたらします。季節や方角によって光の入り方が変わるため、どの季節でも快適に過ごせるよう計画することが大切です。
吹き抜けや勾配天井のある空間に高窓を設けると、天井高を活かしたダイナミックな印象を強調できます。上部から降り注ぐ光が空間に陰影を生み、時間帯によって表情が変わるドラマチックな演出が可能です。
階段やホールに高窓を設けると、上部から光が差し込み、暗くなりがちな廊下やリビングまで明るく照らすことができます。採光だけでなく、風通しの確保にも効果的で、住まい全体を心地よい空間に導きます。
靴箱や傘立て、お子様の遊び道具など下に置く物が多い玄関。高窓を設置することで、高い位置から安定した自然光が差し込みます。そのため家の方角によっては、日中であればわざわざ玄関の電気をつけなくても明るさを確保できるでしょう。
暗くなりがちなトイレは明るさや開放感を出すことができる反面、プライバシーも欲しい空間。そんなトイレだからこそ高窓を設置することで、プライバシーを守りつつ明るい清潔感のあるトイレになります。
洗面所は収納家具や洗濯機などを置くことが多く、どうしても窓のスペースが限られがちなため、高窓が効果的です。天井近くから自然光を取り込むことで、朝の身支度の際も顔に影ができにくく、明るく快適に準備ができます。
高窓は日射しを多く取り込める反面、夏は暑く、冬は冷えやすくなる場合があります。快適な室内環境を保つためには、断熱・遮熱性能の高い窓ガラスやサッシを選ぶことが重要です。性能を重視することで、年間を通して明るく快適な空間を実現できます。
光の入り方は、方角や窓のサイズ・形によって大きく変わります。事前にモデルハウスを見学したり、シミュレーションを行ったりして、季節や時間帯ごとの採光を確認しておくと安心です。
高窓には、開閉できないFIX窓と、換気が可能な開閉式窓の2種類があります。どちらを選ぶかは、設置の目的によって決まります。開閉式にすると気密性や断熱性が下がることもあるため、採光が主目的であればFIX窓、通風を重視する場合は開閉式を選ぶなど、設計段階で明確にしておくことが大切です。

愛知県蒲郡市
間取り:3LDK
家族構成:ご夫婦
リビングに入ってすぐの8帖の広々吹き抜けを活かすように、窓や壁紙、照明を計画。外部のタイルデッキとは掃き出し窓で繋がり、デッキ上部の屋根が大きく出ていることにより陽の光を柔らかく取り入れています。

間取り:2LDK
家族構成:ご夫婦+お子様1名
延床面積:111.37㎡
吹き抜け×高窓で開放感のある空間に。大きな吹き抜けの天井には軒天まで続くようにウエスタンレッドシダーを貼り合せました。

愛知県常滑市
間取り:3LDK
家族構成:ご夫婦+お子様
延床面積:103.09㎡
吹抜けの上部には大きな窓を設置。木々の風景を絵画のように切り取り、季節の移ろいを感じさせてくれます。

愛知県常豊田市
間取り:3LDK
家族構成:ご夫婦+お子様
延床面積:120.07㎡
吹き抜けの高窓から降り注ぐ明かりが優しく空間を包み込みます。
天井近くから光を取り込む高窓は、プライバシーを守りながら空間を明るく演出できる人気のデザインです。
採光・眺望を重視するのか、通風・換気を優先するのか、暮らし方に合わせて最適な窓を選ぶことで、より心地よい住まいを実現できます。
HOLIDAYSでは、完全自由設計の注文住宅をご提案しています。お客様の理想の間取りやデザインに合わせて、最適なご提案をさせていただきます。
高窓を取り入れた住まいづくりに興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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愛知県を中心に岐阜県、三重県、静岡県で注文住宅を手がけるHOLIDAYSでは、「デザインも性能も諦めたくない」そんなお客様の想いをカタチにします。耐震性能の最高等級3、断熱性能UA値0.46以下の高断熱を標準としつつ、建築デザイナーがお客様の趣味やライフスタイルを反映したプランをご提案。土地探しからワンストップで対応し、後悔しない家づくりをトータルでサポートします。