窓が少ない家は「後悔」する?メリット・デメリットと後悔しないための設計の工夫を徹底解説

2025年12月17日

窓が少ない家は「後悔」する?メリット・デメリットと後悔しないための設計の工夫を徹底解説

近年、シンプルモダンな箱型住宅や、外からの視線を遮断したプライベート重視の住まいが増えたことで、「窓が少ない家」という選択肢が注目されています。
一方で、「暗くなりそう」「風通しは大丈夫?」といった不安の声もよく伺います。

窓の数が少ない家は、設計によって快適にも後悔にもなってしまいます。
この記事では、窓を減らすことのメリット・デメリット、そして後悔しないための設計の工夫を詳しく解説します。

  • ■窓が少ない家がもたらす4つのメリット(性能・デザイン・費用)

    1. 圧倒的な高性能を実現

    家の中でもっとも熱が出入りするのが窓です。そのため、窓を必要以上に多くつくらないことで、
    ・冬の冷気が入りにくい
    ・夏の暑さを遮りやすい
    ・冷暖房効率が上がる
    ・光熱費の削減につながる

    といったメリットがあります。
    また、壁が多くなることで面材がしっかり入り、耐震性の向上にもつながります。



    2. プライバシーと防犯性の確保

    隣家が近い土地や道路に面した敷地では、大きな窓をつくると外からの視線が気になりやすくなります。
    窓を減らしたり配置を工夫することで、
    ・カーテンを閉めっぱなしにしなくていい
    ・道路側から中が見えない
    ・1日中リラックスできる空間に

    といったプライバシー性の高い暮らしが実現します。



    3. デザイン性と配置の自由度UP

    窓を少なくすることで、キューブ型のような生活感を抑えたシンプルモダンな外観がつくりやすくなります。
    また壁が増えることで、
    ・大きな家具を置きやすい
    ・アートを飾りやすい

    といった室内でのメリットも生まれます。



    4. コスト・メンテナンス面

    窓は「設置費用」「掃除」「メンテナンス」など、長期的に見てもコストがかかる部分です。
    窓が少ない家は、
    ・掃除の手間が減る
    ・結露のリスクが減る
    ・サッシ関連のメンテコストが抑えられる

    といった生活面でのメリットがあります。

  • ■後悔しがちな4つのポイントと解決策

    窓を減らすことにはメリットだけでなく、注意点もあります。
    ただし、それぞれに対策がありますので安心してください。

    室内が暗く感じやすい

    窓の数が少ないとその分採光がしづらく、どうしても「暗さ」が出やすくなります。
    〈対策〉
    ・天窓(トップライト)を活用する
    ・高窓(ハイサイドライト)で視線を遮りつつ採光
    ・吹き抜け+上部窓で家全体へ光を届ける

    特に天窓は一般的な窓の約3倍の採光があると言われています。そのため、壁面の穴を増やさずに採光を確保したい場合は天窓の設置をおすすめします。



    閉塞感が出ることがある

    壁が多くなる分、視線の広がりが制限されるため、空間に閉塞感や圧迫感を与える場合があります。
    〈対策〉
    ・吹き抜けや勾配天井で縦の広がりをつくる
    ・室内窓やガラス扉で空間に抜けをつくる
    ・内装を明るい色でまとめる

    白やベージュなどの明るいトーンは、空間を大きく見せる効果があります。



    風通しが悪くなる可能性

    風の「入口」と「出口」が確保できないと、空気の流れを作り出すことが難しくなります。
    〈対策〉
    ・採風窓(すべり出し窓)を設置
    ・風の通り道を考えた※パッシブデザイン
    ・機械換気システムで窓に頼らない通風計画

    ※パッシブデザイン:太陽光や風など自然の力を活かして快適にする設計手法。



    災害時の避難経路が限られる

    窓は強盗の主要な侵入経路となりやすいため、窓が少ないことは防犯面での大きなメリットになります。しかし侵入が困難であるということは、同時に緊急時に外部の脱出がしづらいという側面を持ちます。窓は災害時における重要な避難経路として機能するため、窓が少ないと、非常時に逃げ道が限定され、安全な避難を妨げるデメリットに繋がります。
    〈対策〉
    ・避難しやすい道路や通路に面した場所に窓を配置
    ・2階・小屋裏に非常用ハッチを設置
    ・家の正面は窓を少なくすることで外観デザインに配慮しつつ、建物の裏側や側面に緊急出口となる窓を確保

    ポイント💡
    窓の開閉がスムーズに行えるか、日頃からチェックしておくことが重要です。

  • ■窓が少ない家を成功させる4つの設計ポイント

    ■窓が少ない家を成功させる4つの設計ポイント

    空間をつなげて光を奥まで届ける

    ・室内窓やガラス扉など抜け感のある素材を採用
    ・採光を防げる間仕切りや建具を減らす

    光の通り道を確保することで、窓が少なくても明るい室内になります。



    中庭・吹き抜けを活用して中心から採光

    ・中庭や吹き抜けの高窓を活用
    外から見えない位置に窓を配置することで、プライバシーを確保しつつ明るい家がつくれます。



    方角を意識した窓の配置

    方角ごとに以下の特徴があります。
    ・東:朝日を取り入れたい寝室
    ・南:メイン採光
    ・西:西日は強いため最小限に

    窓の数が少なくても、配置を工夫することで効率よく採光できます。



    照明計画を同時に行う

    窓の少ない家は、配置によって奥まで光が届かない場合があるため、照明の質が満足度を大きく左右します。
    ・間接照明で奥行きを演出
    ・室内全体に光が行き渡るよう、ダウンライトの位置を計算
    ・昼白色(一般的な白色)・電球色(暖色系)は目的に合わせて使い分け

    設計段階で照明計画までセットで考えることが大切です。

  • ■窓が少ない家の施工事例6選

    窓の数を抑えながらも、明るさ・開放感・デザイン性を両立しているお住まいをご紹介します。
    「窓が少ない家ってどんな雰囲気?」「暗くならない工夫は?」といった疑問の参考として、ぜひご覧ください。

  • 実例①モルタル調と木目が調和する、洗練されたシンプルデザイン

    モルタル調のライトグレーの外壁に、木目とホワイトの塗り壁外壁が映える外観デザインの写真

    モルタル調のライトグレーの外壁に、木目とホワイトの塗り壁外壁が映える外観。窓を減らしつつガラス扉で抜け感を演出し、窓を3方向に設けることで日の移ろいを感じる空間に。



    床や家具の素材を揃え、カウンターや造作部分の木の色味も統一した空間デザインの写真

    床や家具の素材を揃え、カウンターや造作部分の木の色味も統一することで、空間全体にまとまりを持たせています。高窓からやわらかな自然光が差し込み、明るさを確保しながらも外からの視線を感じにくい、落ち着いた室内に。家族で使えるカウンターはダイニングとあえて分けて配置することで、テーブル上がすっきり保ちやすく、作業性にも配慮した計画です。

  • 実例②グレー×木目で魅せる、プライバシーと明るさを両立した家

    塗り壁調グレーの外壁に木目の玄関ドアを合わせた落ち着きのある外観デザインの写真

    塗り壁調グレーの外壁に木目の玄関ドアを合わせた落ち着きのある外観。道路側の窓を最小限に抑えつつ、吹き抜けの高窓から光を取り込み、プライバシーと明るさを両立しています。



    塗り壁調グレーの外壁に木目の玄関ドアを合わせた落ち着きのある外観デザインの写真

    吹き抜け上部に設けた高窓から、やわらかな自然光が降り注ぐリビング。階段や吹き抜けと一体となった縦への広がりが、窓の少ない住まいでも開放感を演出し、落ち着いた素材感でまとめた内装が、光の表情をより引き立てています。

  • 実例③コーナー窓と中二階の光で、キッチンまで明るさが届く家

    落ち着いたカラーでまとめたシンプルな外観デザインの写真

    落ち着いたカラーでまとめたシンプルな外観が印象的。コーナー窓と中二階からの光を取り込むことで、窓のないキッチンも明るく心地よい空間に仕上げています。



    キッチンと中二階を主役にした、立体的で開放感のある空間の写真

    キッチン横のディスプレイコーナーには、各地で集められたお気に入りの小物を並べ、暮らしに彩りをプラス。中二階による上下のつながりと、コーナー窓からの光が、立体的で開放感のある空間を演出しています。

  • 実例④中庭を中心に光が広がる、縦ラインが美しいシンプル外観

    中庭を中心に光を取り込む内に開く設計が特徴の写真

    中庭を中心に光を取り込む内に開く設計が特徴の住まい。外観は縦のラインを意識した窓配置で、シンプルながら上品さのある佇まいに仕上げています。



    ナチュラルな空間に、ブラックのキッチンがアクセントとして映えるLDKの写真

    ナチュラルな空間に、ブラックのキッチンがほどよいアクセントとして映えるLDK。中庭に面した窓からやわらかな光が差し込み、外からの視線を遮りながらも、明るく開放感のある空間に。
    窓の位置と採光を工夫することで、窓の数を抑えつつも心地よい明るさを確保しています。

  • 実例⑤レンガ調が際立つ、落ち着きと明るさを両立したブルックリンの家

    アンティークな雰囲気のあるレンガ調の外壁デザインの写真

    アンティークな雰囲気のあるレンガ調の外壁を取り入れた、温かみを感じるブルックリンテイストの外観。採光の取りやすい南東側にのみ窓を設置し、外からの視線を抑えながら明るさを確保した住まいです。



    開放感のある大きな吹き抜けが、空間全体に伸びやかな広がりをもたらすリビングの写真

    開放感のある大きな吹き抜けが、空間全体に伸びやかな広がりをもたらすリビング。吹き抜けの縦の広がりと高窓からの光が、窓の数を抑えながらも明るく心地よい空間を実現しています。

  • 実例⑥全面横長窓×吹き抜けで、閉じつつ開放感を楽しむ住まい

    壁面に取り付けた間接照明のあかりがリビングの全体を優しく包み込むデザインの写真

    壁面を照らすように取り付けた間接照明のあかりがリビング全体を優しく包みます。全面横長窓を採用し、吹き抜けと組み合わせることで、外からは閉じながらも室内は明るく開放的な空間を実現しています。



    見せ梁を活かした大きな吹き抜けが、空間にのびやかな開放感をもたらすリビングの写真

    見せ梁を活かした大きな吹き抜けが、空間にのびやかな開放感をもたらすリビング。上下階がゆるやかにつながる構成により、家族の気配を感じながら過ごせるのも魅力。

  • ■窓がすくない家づくりもHOLIDAYS

    窓を少なくした家は、「暗くなりそう」「風通しが不安」といったイメージを持たれがちですが、設計の工夫次第で快適さやデザイン性を高めることができます。
    外からの視線を気にせず暮らせるプライバシー性や、断熱・気密性の向上、メンテナンスのしやすさなど、窓を絞ることで得られるメリットも多くあります。

    一方で、採光や通風、開放感に不安がある場合は、天窓や高窓、中庭、吹き抜け、室内窓、照明計画を組み合わせることで、窓が少なくても明るさと心地よさを十分に確保できます。大切なのは「数」ではなく、光の入り方や抜け感をどうつくるかです。

    実例でもご紹介したように、HOLIDAYSでは外からの見え方を整えながら、室内にしっかり光と開放感を取り込む住まいづくりを行っています。
    窓の多さに捉われず、自分たちの暮らしに合った採光・デザインを計画することで、快適で心地よい住まいが実現します。

監修 注文住宅HOLIDAYS

監修 注文住宅HOLIDAYS

愛知県を中心に岐阜県、三重県、静岡県で注文住宅を手がけるHOLIDAYSでは、「デザインも性能も諦めたくない」そんなお客様の想いをカタチにします。耐震性能の最高等級3、断熱性能UA値0.46以下の高断熱を標準としつつ、建築デザイナーがお客様の趣味やライフスタイルを反映したプランをご提案。土地探しからワンストップで対応し、後悔しない家づくりをトータルでサポートします。

CONTACT

まずはお気軽にご相談ください

選べる相談方法

オンラインで相談する

イベントに参加する

愛知県でライフスタイルを考慮したデザイン性と高気密高断熱な住宅性能を両立するHOLIDAYSが発信する、注文住宅のお役立ちコラムです。注住宅のアイディアや間取りの工夫だけでなく、土地探しや資金計画、住宅ローンに関わるコラムも掲載しています。愛知県でオシャレで高性能な注文住宅をご検討されている方、是非ご覧ください。