【実例あり】折り上げ天井×間接照明で後悔しない!失敗対策とあえて外す選択も紹介

2025年12月24日

【実例あり】折り上げ天井×間接照明で後悔しない!失敗対策とあえて外す選択も紹介

折り上げ天井と間接照明の組み合わせは、LDKをワンランク上の空間に仕上げてくれる王道デザイン。天井に奥行きが生まれ、柔らかな光が広がることで、ホテルのような上質さや非日常感を演出できます。

一方で、「思ったより暗かった」「ホコリが溜まって掃除が大変」「コストがかかりすぎた」といった声があるのも事実。見た目だけで採用すると、住んでから後悔してしまうケースも少なくありません。

そこで本記事では、折り上げ天井×間接照明の基本から、失敗しやすいポイントと具体的な対策、さらにあえて天井に仕込まない上級者向けの照明プランまで、実例を交えながらわかりやすく解説します。
おしゃれさと暮らしやすさを両立したLDKづくりのヒントを、ぜひ参考にしてみてください。

  • ■基本知識:「折り上天井 × 間接照明」が選ばれる理由

    折り上げ天井とは?

    折り上げ天井とは、天井の一部を周囲より一段高くするデザインのこと。
    LDKやリビングの中央部分など、空間の見せ場に採用されることが多く、シンプルな間取りでも立体感を生み出せるのが特徴です。天井をフラットに仕上げるのではなく、高さに変化をつけることで、視線が自然と上に抜け、実際の天井高以上に空間を広く感じさせる効果があります。

    主なメリット

    ・開放感と奥行きが生まれる
    天井の一部が高くなることで、視覚的に天井が高く見え、LDK全体にゆとりと開放感をプラス。
    特に帖数に限りがある空間でも、圧迫感を軽減し、のびやかな印象に仕上がります。
    ・空間にメリハリが生まれ、デザイン性が高まる
    折り上げ部分がアクセントとなり、天井に表情が生まれるため、空間全体の印象が引き締まります。
    キッチンやリビングなど、エリアごとの役割をさりげなく分ける効果もあり、デザイン性と空間構成の両立が叶います。




    間接照明とは?

    間接照明とは、照明器具そのものを見せず、光を壁や天井に反射させて空間を照らす照明手法のこと。
    直接光源が目に入らないため、やわらかく包み込むような明かりが特徴です。リビングやダイニング、寝室など、くつろぎを重視した空間で多く採用され、近年では注文住宅でも定番の照明計画となっています。

    主なメリット

    ・目に優しい、柔らかな光
    壁や天井に反射した光が広がるため、まぶしさが少なく、長時間過ごすLDKでも目が疲れにくいのが特徴。
    夜のリラックスタイムにも適した、落ち着きのある明るさをつくれます。
    ・高級感・非日常感を演出できる
    直接照明では表現しにくい陰影が生まれ、空間に奥行きと上質さをプラス。
    ホテルやモデルハウスのような、ワンランク上の雰囲気を演出できます。
    ・素材の質感を引き立てる
    光がやさしく当たることで、壁材や天井材の凹凸、素材感が際立つのも間接照明ならでは。
    クロスや木材、塗り壁などの表情を美しく見せ、内装デザインの完成度を高めてくれます。



    相乗効果!なぜ「折り上げ天井 × 間接照明」が人気なのか?

    折り上げ天井と間接照明が王道の組み合わせといわれる理由は、それぞれの特徴を最大限に活かし合える関係性にあります。
    折り上げ天井によって生まれる天井の段差は、間接照明を仕込むのに最適なスペース。
    光源を直接見せることなく、天井の縁に沿って美しい光のラインをつくることができます。

    これにより、
    ・照明器具の存在感を抑えられる
    ・天井に自然な陰影が生まれる
    ・空間全体に奥行きと広がりが生まれる

    といった効果が得られます。

    また、天井の高さに変化が加わることで、空間の立体感がより強調されるのもポイント。
    間接照明の柔らかな光と相まって、リビング全体が包み込まれるような印象になり、ホテルやモデルハウスのような上質で洗練されたホテルライク空間を演出できます。
    デザイン性と雰囲気づくりを同時に叶えられる点こそが、「折り上げ天井 × 間接照明」が多くの住まいで選ばれている最大の理由なのです。

  • ■失敗しないための重要ポイント:デメリットと具体的な対策

    【明るさ】「思ったより暗い」と感じる可能性がある

    間接照明は、光を壁や天井に反射させて空間を照らすため、直接照明と比べると明るさが控えめになりやすいという特徴があります。そのため、「夜になると少し暗く感じる」「作業や家事をするには物足りない」といった不満につながるケースも少なくありません。特に、間接照明だけでLDK全体を照らそうとすると、生活シーンによっては明るさ不足を感じやすくなります。

    対策

    ・ダウンライトやスポットライトとの併用が基本
    間接照明は雰囲気づくり、ダウンライトやスポットライトは実用照明と役割を分けることが重要です。
    食事や作業をするダイニング、手元を照らしたいキッチンなど、用途に応じて照明を組み合わせることで、暗さを感じにくい快適な空間になります。
    ・間接照明の明るさを事前にしっかり計算する
    LEDテープライトやライン照明は、製品によって明るさ(ルーメン)が大きく異なります。
    「おしゃれそう」というイメージだけで選ばず、空間の広さに対して十分な明るさが確保できるかを、設計段階で確認しておくことが大切です。
    ・天井や壁の素材・色を考慮する
    光を反射させる間接照明では、天井や壁の色が仕上がりに大きく影響します。
    白系や明るい色のクロスは反射率が高く、同じ照明でもより明るく感じられるため、暗さが不安な場合は特におすすめです。



    【メンテナンス】掃除がしにくい


    折り上げ天井に間接照明を仕込む場合、天井の段差や照明ボックス部分にホコリが溜まりやすいというデメリットがあります。普段あまり目に入らない場所だからこそ、気づいたときには汚れが目立ってしまうことも。また、高い位置にあるため、「脚立がないと掃除できない」「手が届かず、そのまま放置してしまう」といった声もよく聞かれます。

    対策

    ・お手入れしやすい構造を設計段階で考えておく
    折り上げ天井の段差寸法や照明の納まり方を工夫することで、掃除のしやすさは大きく変わります。
    手やモップが届きやすい隙間を確保したり、極端に深い溝をつくらないようにするなど、設計段階での配慮が重要です。
    ・LED照明(長寿命)を採用し、交換頻度を減らす
    間接照明には、寿命が長く交換の手間が少ないLED照明を選ぶのが基本。
    照明交換のために高所作業が発生する回数を減らすことで、メンテナンスの負担を最小限に抑えられます。



    【機能】冷暖房効率が悪くなりやすい


    折り上げ天井は天井の一部が高くなるため、空間の容積が増え、冷暖房時の空気の循環に影響が出やすいという側面があります。特に、冬は暖かい空気が上に溜まりやすい夏は冷房が効くまでに時間がかかるといった状況になり、「エアコンの効きが悪い」と感じてしまうケースもあります。

    対策

    ・高気密・高断熱の性能を確保する
    冷暖房効率の良し悪しは、天井の高さだけで決まるものではありません。
    住宅全体の断熱性能や気密性能が確保されていれば、折り上げ天井があっても快適性を損なうことはほとんどありません。
    性能面を含めた住まい全体のバランスを考えることが重要です。
    ・シーリングファンを設置して空気を循環させる
    天井付近に溜まりがちな空気を循環させるために、シーリングファンの設置も有効な対策です。
    冷暖房の効率を高めるだけでなく、空間のアクセントとしてデザイン性を高める効果も期待できます。



    【コスト】費用が高くなる

    折り上げ天井は、天井を一段下げたり上げたりする分、施工の手間が増え、通常のフラットな天井よりコストがかかる傾向があります。さらに、間接照明を組み合わせる場合は、照明器具代に加え、下地や配線などの工事費も発生するため、想定より費用が膨らんでしまうケースも。「デザイン重視で取り入れた結果、他の部分の予算を削らなければならなくなった」という声も少なくありません。

    対策

    ・全体予算とのバランスを見ながら優先順位をつける
    折り上げ天井×間接照明は、空間の印象を大きく左右する要素ですが、必ずしもLDK全体に採用する必要はありません。
    リビング部分だけに絞るなど、見せ場を限定することでコスト調整が可能です。
    ・光源(LEDテープライト、ライン照明など)のグレードや天井の広さを工夫してコストを抑える
    LEDテープライトやライン照明など、光源の種類やグレードによって費用は大きく変わります。
    必要以上に明るさや長さを追求せず、天井の広さとのバランスを見ながら選定することで、無理のない予算内に収めることができます。

  • ■【実例紹介】理想を叶える「折り上げ天井 × 間接照明」のデザイン事例

    折り上げ天井と間接照明は、ポイントを押さえて計画すれば、デザイン性と暮らしやすさを高いレベルで両立できる魅力的な組み合わせです。
    ここからは、実際に折り上げ天井と間接照明を取り入れた住まいの実例をご紹介します。
    「どの位置に照明を仕込んでいるのか」「空間全体にどんな印象を与えているのか」など、写真を見ながら具体的なイメージを膨らませてみてください。

  • 実例①シックにまとめた、まるでホテルな装い

    シックにまとめた、まるでホテルな装いの写真

    折り上げ天井を採用することで、リビングに開放感のある広がりを演出。折り上げ部分に仕込んだ間接照明のやさしい光が、空間全体を包み込み、落ち着きのある心地よい雰囲気に仕上げています。



    シックにまとめた、まるでホテルな装いの写真

    ダイニングテーブルと一体化したキッチンが、空間の主役として存在感を放ちます。照明には埋め込み式のラインライトを採用することで、余計な要素を抑え、洗練されたノイズレスな空間に仕上げました。

  • 実例②こだわりがつまった「フレンチスタイル」の家

    こだわりがつまった「フレンチスタイル」の家の折り上げ天井の写真"

    ゆったりとくつろげる空間をご希望された施主様に合わせ、リビングは折り上げ天井を採用し、天井照明は間接照明のみで計画しました。天井の段差に沿って仕込んだ柔らかな光が、空間全体を包み込み、落ち着きと上質さを感じられるラグジュアリーなリビングに仕上がっています。



    こだわりがつまった「フレンチスタイル」の家のダイニングの写真

    キッチン前面には造作カウンターを設け、つながりのある空間に仕上げました。ダイニングとキッチンがゆるやかにつながることで、日常の家事時間も心地よく過ごせます。右側の引戸の奥には、2.8畳の畳スペースを備えた小上がりを配置し、LDKと一体感を保ちつつ、お子様の遊び場としても活躍します。

  • 実例③ホワイト×木目が美しい全館空調ハウス

    ホワイト×木目が美しい全館空調ハウスの折り上げ天井の写真

    折り上げ天井には間接照明を仕込み、夜にはワンランク上の大人っぽい印象へと変化します。



    ホワイト×木目が美しい全館空調ハウスのリビングの写真

    階段下に設けたヌック(小上がり)は秘密基地のような子供が楽しめる遊び場に。リビングイン階段にすることでLDKを広く設計できるだけでなく、家族とのコミュニケーションも増える間取りとなりました。

  • 実例④中庭があり高級感のある全館空調ハウス

    中庭があり高級感のある全館空調ハウスのリビングの写真

    折り上げ天井に見せ梁と間接照明を組み合わせ、上質で落ち着きのあるリビング空間に仕上げました。床材には、抗菌・消臭機能を備えた高性能フローリングを採用。美しさだけでなく、日々の暮らしやすさにも配慮した、機能性とデザイン性を兼ね備えた空間です。



    中庭があり高級感のある全館空調ハウスのLDKの写真

    シンプルな色味で統一したLDKは、落ち着きのある心地よい空間に。折り上げ天井や見せ梁が立体感を生み、間接照明のやわらかな光が、家族が自然と集まりたくなる穏やかな雰囲気を演出しています。

  • ■【あえて外す選択】折り上げ天井はダウンライト、間接照明は「別の場所」へ

    注文住宅で人気の「折り上げ天井」に「間接照明」を仕込む組み合わせは、確かに王道です。しかし、「開放感とおしゃれさは欲しいけれど、掃除のしにくいホコリ溜まりは避けたい…」といった悩みはありませんか?
    そんなあなたには、折り上げ天井と間接照明の役割を明確に分ける設計プランが最適です。今回は折り上げ天井と組み合わせるべき間接照明のおすすめプラン4つをご紹介します。

  • 1.折り上げ天井 ×[窓側]間接照明

    ホテルライクとモダンを掛け合わせた、ダークトーンの落ち着いた家の窓側関節照明の写真
    ホテルライクとモダンを掛け合わせた、ダークトーンの落ち着いた家

    上部に仕込んだ間接照明に照らされる、約6mにわたるオーダーカーテン。夜になるとカーテンの柔らかな表情が浮かび上がり、LDK全体がホテルライクで洗練された雰囲気に包まれます。自然光とはまた異なる、夜ならではの上質な表情を楽しめるのも、窓側間接照明ならではの魅力です。



    住むほどに風合いが増す、ラスティックスタイルの窓側関節照明の写真
    住むほどに風合いが増す、ラスティックスタイルの家

    LDKを横断するように計画された、カーテンボックス一体型の間接照明は圧巻の一言。視線の流れを妨げることなく、空間に奥行きと一体感をもたらし、折り上げ天井との組み合わせによって、よりダイナミックな広がりを感じさせます。カーテンとの相性も良く、昼と夜で異なる表情を楽しめるため、「開放感は欲しいけれど、天井の間接照明は避けたい」という方におすすめのプランです。

  • 2.折り上げ天井 ×[テレビ面]間接照明

    全館空調搭載、木のぬくもりを感じる家のテレビ面関節照明の写真
    全館空調搭載、木のぬくもりを感じる家

    折り上げ天井の形状を活かし、間接照明をテレビ面の上部に仕込んだプラン。テレビ上の折り上げ部分から上から下へと光が落ちる設計のため、ホコリが溜まりにくく、掃除やメンテナンスの負担を抑えられるのも嬉しいポイント。機能性とデザイン性を両立した、実用的な間接照明の取り入れ方です。また、間接照明のやわらかな光と、アカシアの無垢床が持つ自然な風合いが相まって、空間全体に暖かく優しい印象を与えてくれます。

  • 3.折り上げ天井 ×[床面]間接照明

    全館空調搭載、木のぬくもりを感じる家の床面関節照明の写真
    全館空調を搭載した暖かみのあるサーファーズハウス

    折り上げ天井にはダウンライトを最小限に抑え、床面に仕込んだ間接照明で空間を演出するプラン。天井の照明をあえて減らすことで、視線が下に落ち着き、リビング全体にリラックス感が生まれます。テレビボード下や小上がりの段差部分に設けた間接照明が、夜の時間帯には足元をやさしく照らし、安全性にも配慮。間接照明を活かし、サーファーズテイストにまとめながらも、木の質感を引き立てることで温かみのある空間に仕上げています。

  • 4.折り上げ天井 ×[収納]間接照明

    アウトドアテイストな全館空調ハウスの写真
    アウトドアテイストな全館空調ハウス

    空間を広く感じられるよう折り上げ天井を採用し、天井高をしっかり確保したLDK。その開放感を活かすよう、LDKの壁を貫く収納力抜群の吊戸棚を設け、空間にリズムを与えています。吊戸棚の上部には間接照明を仕込み、もともとある空間の凹凸に合わせて光をプラス。収納としての機能性を確保しながら、空間をより華やかに演出しています。天井に間接照明を集中させるのではなく、収納と一体で取り入れることで、視線が横へと広がり、LDK全体に奥行きと一体感が生まれるのもこのプランの魅力です。

  • ■ 「折り上げ天井×間接照明」を採用するならHOLIDAYS

    折り上げ天井と間接照明の組み合わせは、LDKに開放感と上質さをもたらす、非常に魅力的なデザイン手法です。一方で、明るさや掃除のしやすさ、冷暖房効率、コストなど、計画次第では後悔につながるポイントがあるのも事実。
    だからこそ大切なのは、「おしゃれだから採用する」のではなく、自分たちの暮らし方に合った取り入れ方を選ぶこと。

    本記事でご紹介したように、
    ・王道の「折り上げ天井 × 間接照明」でホテルライクな空間を楽しむ
    ・折り上げ天井は開放感づくりに、間接照明は窓・テレビ面・床・収納など別の場所に取り入れる

    といったように、役割を整理することで、デザイン性と暮らしやすさを両立する選択肢は大きく広がります。

    間接照明は「どこに、どのように仕込むか」で、空間の印象が大きく変わるもの。
    HOLIDAYSではお客様の希望やライフスタイルに合わせた最適な照明計画を心掛けております。

    照明計画にこだわった事例が掲載されたカタログ資料を無料でお送りしていますので、興味を持っていただけましたら是非資料請求くださいませ。

監修 注文住宅HOLIDAYS

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愛知県を中心に岐阜県、三重県、静岡県で注文住宅を手がけるHOLIDAYSでは、「デザインも性能も諦めたくない」そんなお客様の想いをカタチにします。耐震性能の最高等級3、断熱性能UA値0.46以下の高断熱を標準としつつ、建築デザイナーがお客様の趣味やライフスタイルを反映したプランをご提案。土地探しからワンストップで対応し、後悔しない家づくりをトータルでサポートします。

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