屋根の勾配(傾斜)はどう決める?角度による特徴やメリット・デメリットを徹底解説

2026年02月04日

屋根の勾配(傾斜)はどう決める?角度による特徴やメリット・デメリットを徹底解説

注文住宅の外観を左右する「屋根の勾配」。
実は見た目だけでなく、雨漏りのしにくさや将来のメンテナンス費用を左右する非常に重要なポイントです。

「スタイリッシュにしたいから緩やかな屋根がいい」「ロフトを作りたいから急な屋根にしたい」といった理想があっても、実は選ぶ屋根材によって最低限必要な角度が決まっているなど、注意すべきポイントがいくつもあります。

今回のコラムでは建築特有の「寸」表記の読み方から、勾配ごとのメリット・デメリット、屋根材別の制限までHOLIDAYSで実際に施工した外観実例をもとに分かりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。


  • ■屋根の「勾配(こうばい)」とは?基本の知識

    勾配とは


    屋根の「勾配」とは「屋根の傾斜(角度)」のことです。 勾配の最大の役割は、「雨水をスムーズに流し、雨漏りや家の腐食を防ぐこと」にあります。勾配が急なほど水はけは良くなりますが、屋根の面積が増えてコストも変わるため、デザイン性と機能性のバランスが重要です。

    日本の家づくりで使われる「寸(すん)」表記


    建築業界では、角度を「30度」といった度数ではなく、「寸(すん)」という単位で表現するのが一般的です。
    これは、「水平距離10寸に対して、高さが何寸立ち上がるか」という比率で勾配を示したものです。例えば、水平に10進んだところで垂直に3上がる傾斜であれば「3寸勾配」と呼びます。

    「○寸と言われても、どれくらいの角度かピンとこない」という方のために、主な勾配と角度の早見表を作成してみました。
    ぜひ参考にしてみてください。

    サンプル画像

  • ■代表的な3つの勾配とその特徴

    代表的な3つの勾配とその特徴

    屋根の勾配は、大きく分けて「緩勾配並勾配」「急勾配」の3つに分類されます。それぞれの角度の目安とデザインの傾向をまとめました。


    区分角度の目安特徴
    緩勾配(かんこうばい)3寸未満平らな印象落ち着いた雰囲気でモダンなデザインに多い
    並勾配(なみこうばい)4寸〜5寸最も一般的コストと耐久性のバランスが良く、使用する屋根材を選ばない
    急勾配(きゅうこうばい)6寸以上急な傾斜屋根の印象が強くなり、シャープな印象に


    勾配を決めるメリット・デメリット比較

    「デザイン」はもちろん大切ですが、お住まいの地域の気候や将来の点検コスト、そして屋根裏をどう活用したいかなど、性能とコストの両面からバランスを見極めて選ぶようにしましょう。



    緩勾配


    メリット

    ■風の影響を受けにくいため、台風に強い
    ■屋根の面積が小さくなるため、材料費を抑えられる
    ■足場費用が安く済む場合がある



    デメリット

    ■雨漏りのリスクに注意が必要
    ■屋根裏の高さが取れない
    ■屋根材によっては施工が難しい



    急勾配


    メリット

    ■雨水が溜まりにくく、雨漏りリスクが低い
    ■屋根裏スペースを広く取れる(ロフトなどが作れる)
    ■汚れが流れやすく、美観をキープできる



    デメリット

    ■突風や台風時に影響を受けやすい
    ■屋根面積が大きくなる分、材料費がかさむ
    ■施工・メンテナンス時の足場費用がかかる

  • ■「屋根材」で決まる!守るべき最低限の角度

    屋根材には、雨水の侵入を防ぐために必要な「最低勾配」が法律やメーカーによって定められています。
    これを知らずに設計を進めると、雨漏りの原因になるため注意が必要です。

    ①金属屋根(縦葺き): 1寸〜

    縦葺きは屋根の頂部から下に向かって一枚の長い金属板が、雨水が流れるのと同じ向きに取り付けられています。
    途中に雨を遮る継ぎ目がほとんどないため、傾斜が緩めでも雨水が溜まりにくいのが特徴です。



    ②金属屋根(横葺き):3寸~

    地面と水平に並べる「横葺き」は、屋根面に横方向の段差や継ぎ目が多いため、どうしても雨水が滞留しやすくなります。スムーズに排水させるためには最低でも3寸以上の傾斜が必要です。



    ③スレート屋根: 3寸〜

    「コロニアル」や「カラーベスト」と呼ばれるスレート屋根は、3寸以上が一般的です。3寸未満で施工すると、*毛細管現象によって隙間から水が吸い上げられ、雨漏りしやすくなります。

    *毛細管現象・・・非常に狭い隙間に液体が入り込み、重力に関係なく吸い上げられたり、広がったりする現象のこと。屋根の勾配が緩すぎると、屋根材の重なり合ったわずかな隙間に雨水が入り込み、そのまま内側まで吸い上げられて雨漏りの原因となる。



    ➃瓦屋根: 4寸〜

    和瓦や洋瓦などの瓦材は、厚みがある分、瓦同士の重なり部分から水が逆流しやすくなっています。そのため、しっかりとした傾斜をつけることが推奨されています。

  • ■【重要】屋根勾配を決める4つのチェックポイント

    ✓屋根材の制限

    すべての屋根材がどんな勾配にも対応しているわけではありません。瓦なら4寸以上、スレートなら3寸以上といった「最低勾配」が定められています。「ガルバリウム鋼板でスタイリッシュにしたい」「瓦で重厚感を出したい」など、希望の素材がある場合は、必然的に勾配の選択肢が絞られます。



    ✓雨漏りリスクと排水性

    勾配が緩いほど、雨水が屋根の上に滞留しやすくなります。水はけが悪いと雨漏りリスクが高まるため、緩勾配(3寸以下など)にする場合は、高い防水性能を持つ屋根材や工法を選ぶ必要があります。逆に勾配を急にすれば、雨水がスムーズに流れるため耐久性の面では有利になります。



    ✓建築コストとメンテナンス

    屋根の傾斜が6寸を超える急勾配の屋根は、メンテナンスの際に「屋根足場」を組む必要があるため、通常の足場に加えて追加費用が発生します。将来的な塗装や張り替えのコストが高くなる点はあらかじめ理解しておきましょう。
    一方で、緩勾配の屋根は作業がしやすく、状況によっては足場を最小限に抑えて対応できる場合もあります。
    初期費用だけでなく、数十年先のリフォーム費用まで見据えて検討することが大切です。



    ✓小屋裏利用の有無

    勾配を急にすると、屋根の下に広い空間が生まれます。このスペースを利用して、収納用の小屋裏やロフト、あるいは天井の高い開放的なリビングをつくることが可能になります。ただし、空間を広くすればその分断熱・空調効率への配慮も必要になるため、ライフスタイルに合わせて検討しましょう。

  • ■屋根勾配を活かしたおしゃれな外観3選

    片流れ屋根(3寸勾配)


    サンプル画像

    木目×無機質な素材でバランスの取れた住まい

    愛知県高浜市

    間取り:4LDK

    家族構成:ご夫婦+お子様1人

    屋根勾配:3寸

    屋根素材:ガルバリウム鋼板


    オーソドックスな勾配の一つである3寸勾配。斜め感を感じやすく、スタイリッシュな印象を与えてくれます。
    クールな外観が好みの方には特におすすめです。





    切妻屋根


    サンプル画像

    個性的なインテリアをミックスしたサーファーズスタイル

    愛知県常滑市

    間取り:4LDK

    家族構成:ご夫婦+お子様2人+ワンちゃん

    屋根勾配:4.5寸

    屋根素材:ガルバリウム


    屋根と言ったら切妻屋根。左右対称の屋根が柔らかな雰囲気を演出します。かわいらしい外観にしたい方におすすめです。





    切妻屋根(棟変更)


    サンプル画像

    回遊動線×大容量収納。ノイズレスな暮らし

    間取り:3LDK

    家族構成:ご夫婦+お子様2人

    屋根勾配:外観正面 2.73寸 / 背面 1.5寸

    屋根素材:ガルバリウム


    左右の屋根の長さの勾配が異なる切妻屋根。勾配をあえて変えることで斜め感を目立たせます。間取りの融通が利きやすいところもポイントです。




  • ■屋根勾配について相談するならHOLIDAYS

    ■屋根勾配について相談するならHOLIDAYS

    屋根の勾配は「家の見た目」を左右するだけでなく、防水性能や将来のメンテナンス費用にも直結する非常に重要なポイントです。「スタイリッシュな外観にしたいから」と見た目の好みだけで勾配を決めてしまうと、後々の雨漏りリスクや、高額なメンテナンス費用に驚いて後悔してしまう可能性もあります。

    単に角度を決めるのではなく、設計士に「どんな暮らしをしたいか」を伝えたうえで提案を受けることで、後悔しない家づくりに繋がります。

    開放感のある吹き抜けやロフトを作りたい
    将来のメンテナンスコストを最小限に抑えたい
    この屋根材を使って、個性を出したい

    こうしたご要望をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください♪

監修 注文住宅HOLIDAYS

監修 注文住宅HOLIDAYS

愛知県を中心に岐阜県、三重県、静岡県で注文住宅を手がけるHOLIDAYSでは、「デザインも性能も諦めたくない」そんなお客様の想いをカタチにします。耐震性能の最高等級3、断熱性能UA値0.46以下の高断熱を標準としつつ、建築デザイナーがお客様の趣味やライフスタイルを反映したプランをご提案。土地探しからワンストップで対応し、後悔しない家づくりをトータルでサポートします。

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愛知県でライフスタイルを考慮したデザイン性と高気密高断熱な住宅性能を両立するHOLIDAYSが発信する、注文住宅のお役立ちコラムです。注住宅のアイディアや間取りの工夫だけでなく、土地探しや資金計画、住宅ローンに関わるコラムも掲載しています。愛知県でオシャレで高性能な注文住宅をご検討されている方、是非ご覧ください。