知っておきたい!二世帯住宅の基礎知識|トラブルを避けるためのポイントも解説
2022年08月30日
2024年08月28日
マイホームを建てる際、二世帯住宅の検討をしたことはありますか?近年、共働き世帯の増加・待機児童・両親世代の高齢化など、様々な理由から二世帯住宅の選択をする方が増えてきました。どの世帯でも将来的に二世帯の選択をしなければならない場面があるかもしれません。
一言で二世帯住宅といっても、どういった間取りにするかによって暮らし方は変わります。二世帯住宅を建てる際には、一般的な住宅よりも将来を見据えたプランをたてる必要があります。
そこで今回は二世帯住宅の特徴やメリット・デメリットをお伝えいたします。特徴を知った上でどの形の二世帯住宅にするのか検討してみてください。
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二世帯住宅の定義
そもそも二世帯住宅とはどのような定義なのでしょうか。時代が進むにつれて様々な二世帯の形があるかと思いますが、ここでは基本的な二世帯住宅の定義について紹介いたします。
【二世帯住宅とは?】
親世帯と子世帯が一緒に生活することを前提として建てられた家を住宅のことをいいます。
玄関・浴室・キッチン・洗面などを共用する世帯やそれらを別々に分離して生活している世帯もあります。
世代の異なる家族が同じ家で生活するため、お互いの生活リズム・考え方なども違います。両世帯が快適な生活を送るためにはどういった形で生活をしていくのかをしっかりと話し合い、意見をまとめることが大切です。また、二世帯住宅にする際は、建物や敷地の広さが必要になるので一世帯住宅を建てるより資金は必要ですが、親世帯と子世帯がそれぞれローンを組むことができるので資金計画や住宅建築の幅が広がります。 -
二世帯住宅の種類
二世帯住宅は、大きく分類して3つのタイプがあります。それぞれの特徴をご紹介いたします。
〇二世帯住宅の3つのタイプ同居タイプ
玄関・水回り・LDKなど、寝室以外の部分を共用する間取りです。
半独立
タイプ玄関・浴室など一部だけを共用する間取りです。一部を共用しながらも世帯ごとに独立した住空間を持つので、完全同居型に抵抗感がある場合でも取り入れやすいです。
独立タイプ
玄関・リビング・キッチン・浴室などすべての生活空間を分け、各世帯が完全に独立した間取りです。建物を左右か上下で分けるかは各家庭によって異なります。
〇それぞれのメリットデメリット
❶:同居タイプ
◎メリット
同居タイプは必要な設備の数が減るため、二世帯住宅のタイプの中で最も建築費を抑えることができます。さらに、生活設備を共用することで水道光熱費などのランニングコストも抑えやすくなります。共用する場所が多いので両世帯が一緒に過ごす時間も増え、常にコミュニケーションを取ることができます。また、一世帯の住宅と同じような間取りのため、将来的に一世帯になったとしてもそのまま住み続けられます。
▲デメリット
完全同居になるのでほとんどの時間を両世帯で過ごすことになり、プライバシーを確保しづらいです。もともと別世帯で生活しており、二世帯の生活に切り替わる場合は、毎日の生活に息苦しさを感じてしまう可能性があります。
❷:半独立タイプ
◎メリット
家族が近くにいる安心感とプライバシーが守られた生活をバランスよく両立することができます。間取りによって共用部分は異なりますが、一般的に水回りを共用部分とすることが多く、それらの設備を1つにすることで建築費や水道光熱費を抑えることもできます。
▲デメリット
一番のデメリットは、共用部分を設けることにより間取りプランに制約が生じる点です。また、共用部分は使用するタイミングや使用方法によっては相手世帯にストレスを与えてしまう可能性があるので、お互いに配慮が必要です。生活リズムが異なる場合には特に注意しましょう。
❸:独立タイプ
◎メリット
各世帯が独立した住まいになっているので、3タイプの中で1番プライバシーを確保することができます。もともと別々で生活をしていた家庭も二世帯住宅という選択がしやすいです。また、生活設備も各世帯で設けるため、水道光熱費の支払いのトラブルが起こりづらいです。
▲デメリット
生活に必要な設備を各世帯で設けるため、建物面積・敷地面積共に広さが必要になり、全体的なコストが高くなりやすいです。 -
二世帯住宅の魅力
■協力しやすい環境
すぐ近くにいることで家事や育児、介護など、日常のサポートがしやすいです。共働き夫婦にとっては、親世帯の助けで育児や家事の負担が軽減されたり、安心感に繋がります。両世帯の距離が近いので、万が一のことがあってもすぐに気付いて対応することができます。
■経済的な負担の軽減
住宅を二棟建てる場合と比べ、建築費用を安く抑えることが可能です。さらに、水道代や光熱費を1つにまとめることで基本料金を節約できます。
■親子ローンを活用できる
「親子リレーローン」や「親子ペアローン」を利用することで返済の負担を軽減しつつ、それぞれの世帯が住宅ローン控除を受けることができます。
【親子リレーローンとは?】
親が申込人となって住宅ローンを組み、同居する子どもと一緒に二世代に渡って返済する借入方法のことをいいます。通常の住宅ローンに設定されている親の完済時の年齢制限(80歳まで)がなく、子どもが連帯債務者になります。
【親子ペアローンとは?】
1つの住宅に対して、親子それぞれが申込人となって住宅ローンを組む借入方法のことをいいます。住宅ローン控除などの税制優遇措置は親子でそれぞれ受けることができます。親世帯の方が年収が高い場合、ローン比率を上げることで税務対策にもなります。
※注意※
親世帯の退職による収入減や親子間のトラブル、相続時の兄弟とのトラブルなど想定外の事態が起こることもあります。返済計画は慎重に考えましょう。
■【税制上のメリット】相続税削減の可能性がある
親からの相続が発生した時、一定の要件を満たすと被相続人の自宅敷地の相続税評価額を抑えて相続税を軽減できる小規模宅地等の特例が適用されます。
亡くなった親と相続する子どもが別々の家に住んでいる場合は、親の敷地だけが対象になりますが、二世帯住宅の場合は敷地全体に適用されるため、相続税の評価が最大80%減額されます。子どもが二世帯住宅を相続する場合、以下の要件を満たせば小規模宅地等の特例を適用できます。
*条件*
・二世帯住宅の建物に区分所有の登記がされていない
・親が亡くなる前から同居している
・建物の敷地が親名義である
・相続発生から10か月間(申告期限まで)、所有者として居住している
・家賃が発生していない -
二世帯住宅の注意点
■ストレスやプライバシーの問題が生じやすい
親世帯と子世帯の生活リズムや価値観の違いから、ストレスやプライバシーの問題が生じることがあります。特に1階と2階で世帯を分ける場合は、使用するフロアの決め方や部屋の位置によって生活音の聞こえ方も大きく変わるので注意が必要です。また、共有部分が多いお住まいでは、常に家族と顔を合わせることとなるので自分の時間を作ることは難しいかもしれません。
■お金や家事の分担でトラブルに発展することも
間取り同様、お金や家事の分担はトラブルに発展しやすいものです。親世帯の退職や収入減による金銭トラブルや家事の分担は世帯間の関係を悪くしてしまう可能性が高いです。そのため、事前の話し合いと計画が重要になります。支払いや家事の分担はできるだけ早いタイミングで必ず両世帯全員が揃った上で話し合っておきましょう。
■相続について
子世帯に兄弟がいる場合は将来の相続に向けて話し合いをしておく必要があります。両親が亡くなった時や介護施設に入る時に住み続けるのか、売却をするのかなどを兄弟や二世帯住宅に住む当事者同士であらかじめ決めておくことが大切です。
下記コラムにて二世帯住宅を建てる際にトラブルを避けるための間取りの工夫や設備選びのポイント、通信費や光熱費の分け方についてご紹介しています。是非参考にしてみてください。
あわせて読みたいまとめ
今回は、二世帯住宅の特徴やメリット・デメリットをお伝えしました。
二世帯住宅は、親と子の関係とはいえ各世帯で生活リズムや考え方が異なります。二世帯住宅を選択される際は、相手世帯を知り、お互いのことを考えた家づくり・生活をすることが大切です。相手世帯に合わせてあげることや両世帯間でのルールを決めておくことも大切ですが、かえってそれがストレスになってしまうこともあります。最低限のルールを決め、お互いの生活を理解することで良好な関係を保つことができるでしょう。どうしても気になることや不満がある場合は、その都度話し合いを行い解決しましょう。
二世帯住宅と聞くとマイナスなイメージを持ってしまう方もいるかと思いますが、経済面・家事・育児などお互いの負担を軽減することもできます。二世帯住宅を検討されている方はもちろん、今は二世帯住宅にする予定がない方も将来の可能性を見据えて自分達に合った二世帯住宅について考えてみてください。
HOLIDAYSでは、お客様のご状況をお伺いした上でご家庭にあったプランをご提案させていただくことが可能です。弊社でも二世帯住宅の建築実績がありますので、二世帯住宅にするか迷われている方もお気軽にご相談ください。