駐車スペースの賢いつくり方。注文住宅づくりを成功させる駐車スペースについてのお話し
2020年10月07日
2024年06月14日
お家づくりを検討していく中で、駐車場をどうするのかは必ず考えるかと思います。
実際に駐車スペースをつくるのにどれくらいの広さが必要なのでしょうか。「土地にかける予算よりも建物に予算をあてたい」「車が趣味なので広めの駐車場、ガレージを作りたい」など、各家庭によって必要な駐車スペースの希望も違うかと思います。
今回は注文住宅づくりにおける駐車場スペースの考え方について解説していきます。是非家づくりの参考にしてみてください。
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駐車スペースはどれくらい確保したらいいの?
■自家用車1台を駐車するための最低限の広さ
まずはじめに、自家用車1台分に必要な駐車場の広さについてご紹介します。各クラスの一般的に必要な広さは下記の通りです。
【1台分の駐車に必要な広さの目安】
車種
駐車スペース
軽自動車
全幅1.48m × 全長3.40m
幅2.0m × 長さ4.0m(8㎡:2.42坪)
中型車
全幅1.70m × 全長4.7m
幅2.3m × 長さ5.0m (11.5㎡:約3.5坪)
大型車
全幅1.85m × 全長5.0mm
幅2.5m × 長さ6.0m (15㎡:約4.5坪)
車種によってサイズは大きく異なります。軽自動車と大型車では、横幅が40㎝以上、長さが160㎝もの差があります。そのため駐車場の検討をする際には、まずマイカーの大きさを確認してみましょう。
■複数台の駐車スペースを確保する場合の適切な広さ
複数台の車を並列に駐車するときは、ドアを開閉するためのスペースを考慮しましょう。
両端のスペース(約60㎝~90㎝×2)+車と車の間のスペース+車の幅(台数分)
乗り降りする際のドアの開閉には最低60㎝以上の幅が必要と言われています。そのため、車と車の間と車の両脇に最低でも幅60㎝以上の間隔を確保するようにしましょう。ドアをフルオープンにした場合では約80㎝になりますので、余裕をもって乗り降りしたい場合には90㎝以上の幅があるとよいでしょう。
■車庫として利用する場合の必要な広さ
車庫の設置を検討している場合、駐車場に必要なサイズより広いスペースが必要になります。
【車庫の設置に必要なスペースの目安】
軽自動車
横2.2m × 長さ4.0m
中型車
横2.6m × 長さ5.0m
大型車
横2.9m × 長さ6.0m
奥行きは駐車場と同様に車の全長に約80㎝加えた広さ、幅は車の全幅に約110〜130㎝を加えたのが車庫の最小限の広さとされています。
■バイクや自転車用の駐輪スペースを設けることの重要性
バイクや自転車に乗る場合、保管場所の確保も欠かせません。自転車のサイズは幅60㎝、全長190㎝程になり、バイクは幅140㎝、全長220㎝程(※400cc基準に算出)になります。ある程度のスペースが必要になりますので建築後に追加するのは少々大変です。そのため、設計段階で駐輪スペースも考慮して置くと安心です。設置場所としては、駐車スペースの一角を利用することや専用のガレージ・車庫の設置、玄関・土間などの室内に設置する方が多いです。 -
駐車場の種類について
駐車スペースの広さの次に検討していくのは、どんな駐車場にするのかですよね。
見晴らしのいい駐車スペース。雨の日でも濡れないよう家と繋がる駐車場。など希望は様々かと思います。
実際に駐車場にはどんな種類があるのでしょうか。
ここでは大きく分けて3つの駐車場タイプを紹介します。
■オープンタイプの駐車場
屋根や柱のない駐車場のことで、開放感があり広く感じられます。
オープンタイプでは建ぺい率などの規制に当たらないため、自由な広さを確保することができます。防犯面を考えると、ゲートや門柱がないことがデメリットになってしまうかもしれません。
■カーポートタイプの駐車場
カーポートとは、屋根と柱だけの簡単な車庫のことを言います。
雨などの悪天候時でも、濡れることなく乗り降りができるのが大きなメリットです。設置も簡単で費用も比較的安価なので取り入れやすいです。
■ガレージタイプの駐車場
ガレージとは建物の一部に設けられた車を入れる建物、もしくは車を入れる独立した建物のことをいいます。
車の四方が囲まれる形になるので、車のサイズを考えて作る必要があります。建物の一部に設けられているのであれば、車庫への移動や車の乗り降りがスムーズになります。 -
注文住宅の駐車場をつくる際の注意点
■アクセスやスペース確保の考慮事項
駐車場を設ける場合は、前面道路と土地の形状や建物の大きさなどを考慮してご自身が使いやすいと感じるような設計を行いましょう。駐車する方法も直列駐車や並列駐車、縦列駐車のどれにするかによってレイアウトは変わります。また今の状況だけではなく、将来車を買い替えたときや子どもが大きくなったときのことを考え、ゆとりのある駐車設計をするとよいでしょう。
■駐車場の照明やセキュリティ対策の重要性
近年では年間5000件以上の盗難、年間2万件以上の車上荒らしの被害が発生しています。ご自身の車を盗まれたり、傷つけられたりしないように事前にしっかりとした対策をすることが重要です。対策としては、下記のようなものがあります。
*動いている人などに反応するセンサーライトを設置する
盗難や車上荒らしは人通りが少なく薄暗い夜間に行われることが多いです。日中と比べて目撃されるリスクも低く、犯行がしやすい時間になります。そのため、車をセンサーライト等で明るく照らすことで不審者の存在に気付くことや侵入を防ぐことができるでしょう。設置することで盗難抑止に繋がるのでおすすめです。ホームセンターで手軽に買えるものもあるので取り入れやすいでしょう。
*フェンスや門扉などを設置して不審者の侵入を減らす
駐車場の前にフェンスや門扉などの侵入を防ぐものを設置し、簡単に車に近づけないことも効果的です。ワンアクションあるだけでもセキュリティに関心度が高い家と認識されるので狙われにくくなります。しっかりと対策したい場合は、シャッターゲートなどを設置して車ごと見えないようにすることがおすすめです。
■バリアフリーに配慮した駐車スペースの作り方
バリアフリーに考慮した駐車スペースを作成する場合、家から駐車スペースまでの行き来のしやすさが大事になります。行き来しやすい駐車スペースを設計する場合の3つのコツをお伝えします。
❶玄関からの動線は短くする
雨の日や荷物を運ぶことも考慮し、車を乗り降りする場所と玄関はなるべく近くに配置することをおすすめします。移動の負担が少なくなるように動線上には手すりやスロープをつけておくとよいでしょう。
❷屋根を設置する
天候が悪い場合、傘を持ちながら車を乗り降りすることになるので片手が塞がったり、通常よりも長く時間がかかったりします。屋根を設置することで、天候に左右されることなく快適に車の利用ができます。
❸使用する素材に気をつける
石材やタイルは雨や雪の日には滑りやすくなるので避けた方が安全です。砂利は車椅子などのタイヤにはまりやすく、杖をつく場合では不安定になります。そのため、コンクリートなどの比較的滑りにくく、凹凸のないものを使用するのがおすすめです。 -
駐車スペースの設計事例とアイデア
バイクガレージのある趣味を詰め込んだ家愛知県豊田市/K様
家族構成 ご夫婦+お子さま1人
工法 木造軸組パネル工法
竣工年月 2018年1月
延べ床面積(㎡) 116.34㎡
延長敷地の形状を上手く利用したバイクガレージ付きのお住まい。路地状部分に自動車の駐車スペース、延長線上にバイクガレージを設計しています。バイクガレージと玄関は繋がっており、外に出ることなく趣味の時間に没頭することができます。
【画像の施工事例はこちら】
ガレージスペースで趣味を満喫するカントリーテイストの家愛知県春日井市/T様
家族構成 ご夫婦+お子様
間取り 5LDK
竣工年月 2022年7月
延べ床面積(㎡) 75.35㎡
アイボリーを基調としたカントリーテイストがコンセプトのお住まい。駐車スペースに加え、広々としたシャッター付きガレージを設置しています。交換用のタイヤの保管など多様な使用方法も可能です。
【画像の施工事例はこちら】
中庭があり高級感のある全館空調ハウス愛知県知立市/A様
家族構成 ご夫婦+お子様一人
工法 木造軸組パネル工法
竣工年月 2020年12月
延べ床面積(㎡) 131.73㎡
木調の軒天とホワイトのサイディングが映えるデザイン性の高い外観。間接照明によって昼と夜で違った印象的を演出します。コンクリートで仕上げた駐車場は、スリットを入れることで洗練された外観の雰囲気に合うようにデザインされています。
【画像の施工事例はこちら】
全館空調搭載で快適なナチュラルテイストハウス
愛知県知立市/A様
家族構成 ご夫婦+お子様一人
工法 木造軸組パネル工法
竣工年月 2020年12月
延べ床面積(㎡) 131.73㎡
こちらの事例は、家の両サイドに設置したカーポートが特徴的なお住まい。駐車スペースは空間を有効的に活用して設計しており、十分な広さを確保しているので余裕をもって駐車することができます。
【画像の施工事例はこちら】 -
まとめ
注文住宅を建てる際に、家の間取りなどに気を取られ忘れがちなのが駐車場スペースです。
駐車場スペースは、その家の印象を決める要素の一つです。
使い勝手はもちろんデザインも大切になってくるので、家を建てる時の資金計画にも大きく影響します。駐車スペースと居住スペースのバランスをうまく取り、快適な生活ができる住まいづくりを考えてみましょう。
HOLIDAYSでは自由設計でお家を建てることができます。各家庭の暮らし方や予算に合わせて、駐車場の種類や広さをご提案させて頂きます。また弊社には土地仲介部門の「ハウスボカン」もございますので、土地購入費も含めた総合的な資金計画のお手伝いをさせて頂きます。
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