住宅ローンをフルローンで借りるとは?!
2020年01月05日
2024年11月13日
一般的に、不動産購入時には物件価格の1~2割程度の頭金を用意すべきであると言われています。
しかし、気に入った物件が見つかっても、手元資金が足りず頭金が用意できないこともあるかもしれません。
そのような場合に一つの選択肢となるのが、頭金を出さずに物件価格の100%を借り入れる「フルローン」です。
今回は住宅ローンをフルローンで借り入れる時のメリットデメリットを解説いたします。
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住宅ローンをフルローンで借りるとは
住宅ローンを借入れる際、頭金を用意したほうが良いというのは定説です。
頭金の目安は、物件のおよそ2割程度と言われており、たとえば3,000万円の住宅を購入する際は、600万円ほどを現金で準備するのが従来までの考え方でした。
最近では、フルローンに対応した住宅ローンが登場し、頭金だけではなく諸費用も住宅ローンに含めることによって、出来る限り現金での支出を減らして住宅を購入できるようになっています。
しかし、このように住宅ローンをフルローンで利用することはメリットだけでなく、もちろんデメリットもございます。
メリットデメリットをしっかり把握し、フルローンでの利用の検討材料にしていただければと思います。 -
住宅ローンをフルローンで借りる場合のデメリット
■毎月の返済額が大きくなる
フルローンの大きなデメリットは、借入額が増加することで返済額が膨らむ点です。
諸費用も含めて借り入れた場合や、変動金利よりも金利の高い固定金利を選択した場合は、さらに返済額の差が広がる点にも注意が必要です。
■借入金利が高くなる場合がある。
自己資金の割合によって金利が変わるケースがあります。
たとえば、フラット35では、頭金が1割以上の場合と1割以下の場合がそれぞれ異なる金利が適用されます。
その他銀行でも、フルローンと頭金ありでは、金利が変わることがあるため、総返済金額の差がどの程度か、毎月の返済額はどの程度変わるかをチェックしておく必要があります。
■借入に際し、一定の現金が必要になるケースがある
住宅ローンをフルローンで検討する際、本来であれば事務手数料や登記費用といった「諸費用」も借入額に上乗せできれば理想的です。
しかし、銀行によっては、このような完全なフルローンには対応しておらず、諸費用を別途支払わなければならない場合があります。
借入時にかかる諸費用は、数十万円から百数十万程度と、決して小さくないため諸費用の金額や、ローンへの上乗せの可否などは、しっかりと確認しておくことをおすすめします。
■銀行の住宅ローン審査が厳しくなることがある
物件に対する融資割合が増えるため、頭金を準備する場合と比較すると、フルローンにおける銀行の住宅ローン審査厳しくなる傾向があります。
ただし、住宅ローンの審査では、契約者の年齢・年収・勤続年数・健康状態・過去の返済遅延情報など、ある程度審査項目が標準化されており、条件をクリアしてさえいれば、「フルローンだから」という理由のみで審査に落ちるケースは多くありません。
もし、フルローンでの審査がなかなか通りにくい場合は、配偶者との収入合算やペアローン、親子でのリレー返済なども検討してみましょう。
■ほかの買主と競売した場合に、不利になる可能性がある
同じ物件に対して複数の買主が購入の申し込みをするような場合、不動産会社や個人の売主が、フルローンでの購入希望者よりも、頭金を準備している購入希望者を優先することがあります。
これは販売する側の考え方によることから、つねに「フルローンだと不利になる」と決まっているわけではありません。
ただし、複数の買い手がつきやすい人気エリアの物件や、競合性の高い物件などを購入する場合には、フルローンが不利に働くケースもあることを意識しておいておくと良いでしょう。 -
住宅ローンをフルローンで借りる場合のメリット
■手元の現金を減らさずに済む
住宅ローンをフルローンで借りる場合のもっとも大きなメリットが、多額の現金を使わずに住宅を購入できる点です。
住宅購入では頭金や諸費用以外にも、引っ越し費用や仮住まい費用、家具や家電の購入費用など、なにかと出費がかさみます。
また、お子様の受験を控えていたり、車の購入が必要であったりと、大きな現金支出が予想されるような場合に、一定のキャッシュを確保しておくことが可能になります。
住宅ローン=借金と考えると、少しでも借入額を減らすべきと考えがちですが、
一定の現金を確保しておくことは、急な出費が必要になった場合を想定した際、家計のリスクを抑える効果があります。
■住宅購入のタイミングが比較的自由になる
毎月コツコツと頭金を貯金していると、住宅購入のタイミングは遅くなっていく傾向にあります。
頭金なしのフルローンを利用することで、自分の希望するタイミングで住宅を購入できる可能性が広がります。
頭金を貯めることを第一の目的としていると、資金が貯まっていないことがネックになり、例え良い物件が見つかってもなかなか住宅購入に踏み切れない、というケースが出てきます。
また、住宅ローン金利も経済の影響を受けて上下するため、ゼロ金利時代もいつまで続くかわかりません。
このように、住宅購入を検討するタイミングと、家の貯蓄状況とは、必ずしも一致するとは限りません。
「住宅ローンをフルローンで借りる」という選択肢を持っておくことで、頭金が充分に貯まっていなくても、今、住宅を購入しておいたほうが良さそうだ、と感じたときに、行動を制限されずに動けるようになります。 -
住宅ローンをフルローンで借りることのまとめ
住宅ローンをフルローンで借りることに対しては、一定のリスクが伴うのは事実です。
その一方で手持ちの現金を持ったまま新しい住宅を購入できることには、それなりのメリットがあることもまた事実です。
フルローンは、良い悪いではなく、住宅ローンを利用する際の選択肢の一つと考えると良いかと思います。
住宅ローンの金利は比較的低水準で推移しており、他のローン(教育ローンやマイカーローン)と比較しても、金利に優位性があります。
フルローンのデメリットについて十分に理解しつつも、他の用途で現金が必要な場合や、住宅購入を急ぎたい場合には、「住宅ローンをフルローンで借りる」という選択肢を、上手に活用してみてはいかがでしょうか。
しかし結局どのようにローンを組むのが自分に合っているのか判断が難しいこともあるかと思います。
資金計画について不安があるという方には、無理のない返済計画を立てるためにスタジオへの来店がおすすめです。
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