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2025年02月15日
2025年02月11日
蓄電池の導入で活用できるDR補助金をご存じですか?そもそもDRとは何でしょうか。 DRは電力の需給バランスを調整する仕組みの一つで、蓄電池を活用することで効果的に運用できます。
今回のコラムでは、国が実施しているDRプログラムや補助金制度について詳しく解説します。また、DR補助金と併用可能な地方自治体の補助金についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
・DRとは?
DRとは「ディマンド・リスポンス」の略で、電力の需給バランスを保つために私たち一般家庭や電力会社で協力して電力消費を調整する仕組みです。
電力の調整はなぜ必要?
電力はつくる量と消費量が常に同じ量でないといけません。このバランスが崩れると、大規模な停電に繋がります。そのため、電力会社は発電計画を作成してコントロールしています。しかし、電力会社だけでバランスを維持するのは難しいため、私たち一般家庭も協力して電力消費を調整する「DR(ディマンド・リスポンス)プログラム」が活用されています。
このDRプログラムの一環として、家庭用蓄電池の導入を支援するために国で行っているのがDR補助金制度です。
具体的には、一般社団法人環境共創イニシアチブが実施している「令和5年度補正 家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業」があります。
家庭や企業が蓄電池を導入する際に補助金を受けられる制度です。再生可能エネルギーの活用や電力需給の安定化を目的としており、DR(ディマンド・リスポンス)に対応した蓄電池の導入を支援しています。
※2025年度の詳細についてはまだ発表されていませんが、この事業は毎年実施されているため、今年も引き続き行われる可能性が高いと考えられます。
補助額 | 最大60万円/1申請あたり 蓄電池の初期実効容量1kWhあたり3.7万円の補助が受けられます。 |
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補助率 | 1/3以内 |
補助対象 | SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録された蓄電システム機器および工事費、工事費 |
蓄電池の導入費用を補助してもらえるため、初期費用を抑えることが可能です。例えば、10kWhの家庭用蓄電池の導入費用は約150万円前後ですが、補助金を活用すれば最大約37万円の補助を受けられ、実質的な負担額を100万円台前半まで抑えられます。
蓄電池は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーからの電力を蓄えるために使用されます。また、電気代が安い時間帯に充電し、高い時間帯に蓄えた電気を使用することで、電気代の節約にもつながります。さらに、停電時の非常用電源としても活用できます。
補助金を受け取るための申請は施工会社で行います。そのため、お客様個人で行う手続きはありません。ただし、補助金を受けるためには、対象となる蓄電池を選び、条件を満たす必要があります。施工会社に相談しながら、補助金の適用範囲やスケジュールを確認しておくと安心です。
DR補助金が支給されるには、購入よりも先に申請する必要があります。原則、申請許可後に決定通知を受け取ってから購入しないと補助金対象外になるので注意しましょう。
DR補助金は通常、毎年4月頃から12月上旬までの申請期間としていることが多いですが、予算上限に達すると期限前に終了してしまうことがあります。実際に、令和5年度では10月11日に締め切られています。
DRの仕組みによって、電力会社からの制御信号に応じて蓄電池が自動的に放電されることがあるため、想定していた電気の使い方と異なる場合があります。例えば、資源エネルギー庁から「電力ひっ迫警報・注意報」が発令された際、自宅に設置している蓄電池が遠隔で放電・充電されることがあります。実際に、2012年と2022年に発令された際にも、電力需給の調整が行われました。
設置後6年間は処分制限期間が設けられており、この期間内に蓄電池を売却・譲渡すると、補助金の一部または全額を返還しなければならない場合があります。導入を検討する際は、この制限も考慮して計画を立てましょう。
1.各補助金の違いを理解する
DR補助金を利用する際は、他の補助金との違いを理解することが重要です。補助対象や条件、併用可否などは制度ごとに異なります。特に、DR補助金は国の補助金と併用できないため、地方自治体の補助金と組み合わせるのが一般的です。申請前に各補助金の要件を確認し、自分にとって最適な組み合わせを選びましょう。
2.締め切りから逆算して動く
予算上限に達すると早期終了する場合があるため、蓄電池の設置を検討している方は、締め切りから逆算して早めに申請準備を進めることが重要です。
DR補助金と併用できる補助金は、地方自治体が実施している補助金です。国が実施しているその他の補助金制度とは併用できないため、注意が必要です。今回は、愛知県内の地方自治体が提供している補助金の一部をご紹介します。
今日ご紹介した補助金制度以外にも、各自治体で様々な取り込みを行っています。詳しくは各市町村のホームページや窓口にて確認してください。
《名古屋市》
募集期間:令和6年4月15日(月曜日)から令和7年2月28日(金曜日)まで
補助額 | 1kWhにつき15,000円 ※補助対象となるのは8kWhまでのため最大でも12万円 |
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補助対象 | 太陽光発電設備が設置されている市内の既存住宅に蓄電システムを導入 |
条件 | ・太陽光発電設備で発電された電力の全部又は一部を蓄電システムに充電し、充電した電力を当該住宅で消費すること。 ・未使用品であること。リース品は対象外。 ・一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)により登録されているもの。 |
募集期間:令和6年4月1日(月曜日)から予算終了まで
補助額 | 一律15万円 |
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補助対象 | 住宅用リチウムイオン蓄電池システム |
条件 | ・リチウムイオン蓄電池及びインバータ等の電力変換装置を備え、電気を繰り返し蓄え、停電時等に必要に応じて電気を活用できるもの。 ・一般社団法人環境共創イニシアチブ(Sii)による補助対象機器の登録を受けているもの。 |
今回のコラムでは、DR補助金の概要や申請時の注意点、さらに地方自治体が実施している補助金制度についてご紹介しました。
蓄電システム導入支援事業は、比較的長めの申請期間が設けられることが多いですが、予算に達し次第締め切られるため、早めの申請がおすすめです。また、家を建てる際には、蓄電池だけでなく、太陽光発電や高性能な断熱設備などに対しても補助金が利用できる場合があります。条件や補助額は自治体によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
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